営業活動の効率化やマーケティング支援などに活躍するSalesforceは、うまく活用できれば強力な味方となる一方、その使い方を身につけるにはそれなりの時間がかかります。
また、Salesforceをどれくらい活用できるかを体系的に理解するためには豊富な経験が求められますが、現場での経験以外でわかりやすい指標となるのが資格認定制度です。
この記事では、そんなSalesforceの資格認定制度について、その種類や難易度、資格取得に向けた勉強法などを解説します。
Salesforceの資格認定について
Salesforceには公式に認められた、独自の資格認定制度があります。Salesforceとは一口に言っても、実際にはさまざまな業務分野に応じてツールを使うことが求められ、全てを網羅的に理解することは難しいものです。
Salesforceの資格認定制度では、ある程度領域を絞った上で、特定の業種で活躍するのに十分なスキルを有しているかどうかが試される問題が出されます。一定の正答率をクリアすることで、自身の能力を客観的に評価してもらえる資格を取得することが可能です。
Salesforceの資格を取得することで、主に以下のようなメリットを期待できるでしょう。
クライアントからの信頼を勝ち取りやすくなる
まず、Salesforceの資格を取得しておくと、Salesforce運用を依頼したいなどの案件を抱えたクライアントからの信頼を勝ち取りやすくなるという強みがあります。
資格はオフィシャルに認められた制度であるため、実績重視で発注先を探しているクライアントであれば、資格取得者がクライアントの案件を担当してくれるかなどが判断材料となることもあるでしょう。業務上の実績に加えてSalesforceの資格も取得していれば、受注の確度は高まるはずです。
スキルアップに直結する
Salesforceの資格を取得するにはそれなりの対策が求められますが、これは逆を言えばSalesforceのスキルアップのための貴重な機会になるということです。
日々の業務は自分のできる範囲のこと、あるいは決まったルーティンワークで完結してしまうことも少なくありません。そこで自分の詳しくない領域、あるいは強みを伸ばしていきたい分野の資格取得に向けて勉強し、資格を取得することで、Salesforce関連のスキルを育てることができます。
転職の際の武器になる
Salesforceの資格を持っておくことで、転職の際にも自身にとって有利に働くことが期待できます。
Salesforceは非常に汎用性の高いソフトで、近年はあらゆる企業が自社業務に導入しています。資格をあらかじめ取得しておくことで、規格化された業務を転職先でもスムーズにこなせることができるはずです。
転職先の組織にとっても研修の手間が省ける上、生産性の向上につながるためプラスに働くでしょう。できるだけ早いうちに取得を検討したいところです。
Salesforceの資格取得の難易度
それでは、Salesforceの資格取得は具体的にどれくらいの難易度なのでしょうか。この後紹介しますが、Salesforceの資格にはいくつかの種類があるため、どの試験を受けるか、そして自身の現在のスキルセットがどれくらいのものかによって、取得の難易度は変わってきます。
ただ、Salesforceの資格は軽くテキストを読むだけで誰でも合格できるようなものではなく、ある程度実践的なスキルと教科書的な知識が問われる、事前学習を前提とした問題設計にはなっているため、侮ることはできません。
隙間時間に勉強を進め、着実な学習を行うことで得られる資格であることは理解しておきましょう。
Salesforceの資格の主な種類
Salesforceの資格には、主に以下のような種類のものがあります。また、それぞれの資格には通常の認定に加え上位資格も存在し、より高度な能力を得たい、あるいは外部にアピールしたいという場合はそちらの取得も狙うと良いでしょう。
Salesforce認定アドミニストレーター
Salesforce認定アドミニストレーターは、数あるSalesforce資格の中でも最もポピュラーなものの一種です。Salesforce初心者が初めに取得する資格とされており、同サービスのセットアップや基本的な操作方法についての理解があるかどうかを問われます。
IT領域での活躍を希望する場合は、まずこの資格の取得から目指してみると良いでしょう。
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタントは、Salesforceの導入や活用に必要な設計や運用ができるノウハウを有しているかどうかを試される資格です。
名前の通り、Salesforceを使ったコンサルティング業務に必要なスキルが求められるため、Salesforceの活用方法はもちろん、営業プロセスの設計などについても一定の知見が必要です。
Salesforce認定Platformデベロッパー<
Salesforce認定Platform デベロッパーは、Salesforce関連のアプリケーション設計についてのスキルが求められる資格です。Salesforceの運用ノウハウに加え、プログラミング言語の取得も必要なのが特徴と言えます。
高度なエンジニアリング領域での活躍を希望する人にとって、魅力的な資格となるでしょう。
Salesforce認定Account Engagement(旧Pardot) スペシャリスト
Salesforce認定Account Engagement(旧Pardot) スペシャリストは、マーケティングオートメーション(MA)ツールであるAccount Engagementについてのノウハウが求められる資格です。
営業だけでなく、マーケティング領域の支援に関わりたいと考えている場合、この資格の取得が役に立つでしょう。
Salesforce認定Marketing Cloudアドミニストレーター
Salesforce認定Marketing Cloudアドミニストレーターは、クラウドサービスであるMarketing Cloudの運用に関するスキルを身につけるための資格です。
プラットフォームの構成や活用、メンテナンスや管理の実施などに関する技術を問われます。
最適なSalesforceの資格取得に向けた勉強方法は?
上記のように、Salesforceの資格には多様な種類があり、それぞれで求められる知見も異なり、丁寧な試験対策を実施する必要があります。
最もポピュラーな勉強方法となるのは、Salesforce公式の学習サービスである「Trailhead」を活用することです。これは上記で紹介した資格取得を目指して、最適化されたカリキュラムを提供している学習アプリで、効率的な学習を促してくれます。
Salesforceが無料で提供しているため学習コストが最小限に抑えられるだけでなく、各単元ごとに細かく細分化された状態で学習を進められるので、履修内容に抜け漏れが発生することも回避可能です。
まずはこちらの学習サービスをフル活用し、足りない部分はそのほかの書籍やブログなどを活用しながら穴埋めしていくような形で取り組むのが良いでしょう。
Salesforceの資格を取得する際のポイント
Salesforceの資格を取得する上で意識したいのは、以下の2つのポイントです。
資格を取得する順番を決める
Salesforceの資格は、それぞれの資格に応じて学習すべき内容や難易度が異なるので、取得する順番を間違えないようにしましょう。
例えば、Salesforce初心者が初めて資格を取得する場合、まず挑戦すべきはアドミニストレーターの資格です。他の上位資格に比べて重要性は低いものの、この部分を理解しておかないと、高度な学習内容についていけなくなる可能性があるからです。
その他、自分にとって必要になるスキルを適宜見極め、学習時間が無駄にならないよう最適な資格を選べることが理想です。
資格には更新が必要
Salesforceの資格は、1年に1度定期試験を受けなければ、資格が失効してしまいます。「更新モジュール」と呼ばれるキャッチアップ課題をクリアすることで、資格を維持することができます。
一度資格を取得したからといって安心せず、常に学習を続ける意識を有することが大切です。
まとめ
この記事では、Salesforceの資格制度について解説しました。Salesforceは強力なサービスである分、丁寧な資格取得に向けた学習が必要です。Trailheadなどを活用し、合格に向けて日々精進しましょう。
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