投稿日 2024.05.09

最終更新日 2024.05.09

バックオフィスのデータ分析業務がもたらすメリットとは?

バックオフィスのデータ分析業務がもたらすメリットとは?

バックオフィス業務には様々な種類がありますが、近年注目を集めているのがデータ分析の領域です。
 
バックオフィス業務には、経理・法務・総務などさまざまな種類があり、近年それぞれの分野で業務のデジタル活用を通じた効率化の重要性が叫ばれています。デジタル活用と一口に言っても、業務の一部もしくは全部をデジタルに置き換える比較的単純なものから、蓄積したデータの分析を通じて実現するものまで多岐にわたります。
 
今回は、そんなバックオフィスにおけるデジタル活用の中からデータ分析を取り上げ、その概要や、得られるメリット、そしてデータ分析に活躍するツールについて、解説していきます。

バックオフィスのデータ分析業務について

バックオフィスのデータ分析業務について

データ分析業務は、収集したデータを目的に合わせて加工、抽出などの工程を通じ、有用性の高い情報を読み取るプロセスのことを指します。
 
データ分析とは一言で言っても、データそのものの扱い方や分析のアプローチは非常に多様です。
 
バックオフィス業務には経費精算や勤怠管理など多様な領域が含まれますが、これらのデータを総合的に扱いながらデータ分析を実施したり、特定の領域に特化して分析を行うこともあります。
 
データ分析を通じて、これまで明らかになっていなかった事象や兆候を早期に発見したり、客観性の高い意思決定につなげたりすることができます。
 
バックオフィスDXの普及に伴い、近年はデータ分析が以前よりも多くの企業で盛んに行われるようになってきました。

データ分析が注目される背景

データ分析が注目される背景

データ分析がバックオフィスDXによって浸透している背景には

  • 社内情報のデジタル化
  • 統合データベースの確立
  • データ分析サービスの普及

が考えられます。社内の多様な情報がデジタルデータに変換され、管理されるようになったことで、以前よりもデータ分析のハードルは下がり、その有意性も高まってきました。
 
また、情報のデジタル化に伴い、それらを効率よく扱うための統合データベースも整備されつつあります。効率的にデータの集約と抽出が行えるため、データ分析を行う上では重要な存在です。
 
データ分析は、以前なら専門の統計学などのスキルを持ったデータサイエンティストの存在が不可欠でした。しかし近年は分析ツールも広く普及し、ツールの使い方を覚えるだけで簡単に分析が行えるようになったことで、簡単にデータ分析が行えるようにもなりました。
 
これらの条件が揃ったことで、データ分析は今後もバックオフィス・フロントオフィスを問わず、業務の一環として浸透していくでしょう。

データ分析を実施するメリット

データ分析を実施するメリット

データ分析の実践は、具体的に組織へどのようなメリットをもたらしてくれるのでしょうか。ポイントとしては、以下の3つの利点が挙げられます。

業務の属人化を回避できる

データ分析の強みは、業務の属人化を回避できる点にあります。これまでは社員の主観や経営者の経験などに頼って業務を遂行する機会が無数に存在していましたが、データ分析によって得られた結果を参考にすることで、このような事態を回避できます。
 
経験豊富で、確度の高い意思決定ができる人物の意思決定に、常に従えるのであれば問題はありません。
 
業務経験の浅い社員にも様々な判断を仰ぐのはもちろん、経験豊富な社員といえどもその時の体調や気分によって判断にムラが出ることもあり、毎回正しい判断ができるわけではありません。
 
データ分析は、このような事態を回避して誰もが信頼に足る業務遂行を後押しできるのが特徴です。常にデータに裏打ちされた意思決定が可能なため、社員の経験を問わず誰でも期待値の高い選択が可能となります。

質の高いサービス提供に貢献する

データ分析によって、バックオフィスの顧客である自社社員のニーズを客観的に把握できるようになれば、質の高いサービス提供を推進することが可能になります。
 
必要に応じて自社社員のサービス利用履歴やログを取得し、彼らのサービスに対する関心度合いや満足度をスコアとして算出することで、彼らが本当に必要としているサービスを浮き彫りにすることができたり、あまり利用されていない、もしくは必要とされていないサービスを廃止することで、限りあるコストを最大限活用することができるようになります。

バックオフィスにおけるデータ分析の現状

バックオフィスにおけるデータ分析の現状

データ分析は従来よりも広く行われるようになった印象のある業務ですが、具体的にどれくらいの割合で実施されている取り組みなのでしょうか。
 
クラウドERP「ZAC」を提供する株式会社オロが2024年3月に発表した調査によれば、バックオフィスのDXを推進した企業の中でデータ分析にまで実現できているケースはわずか30.7%にとどまっており、十分なデータ活用が進んでいるとは言えないのが現状です。
 
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000203.000075257.html
 
DXにおいて重要なのは、デジタルツールを導入してペーパーレスで業務を遂行するのはもちろん、デジタル化を通じて得たデータをビジネスに利活用することです。
 
バックオフィス効率化などに活躍するDXツールは、いずれもデータ分析においても強力なサポートを提供するので、有効活用することをおすすめします。

データ分析実施の際の注意点

データ分析は強力な取り組みとなる一方、実施にあたっては

  • 分析目標や目的を立てる
  • 基本的なデータ分析のスキルを身につけておく
  • 仮説検証を正しく実施する

といったポイントを押さえておくことも重要です。
 
データ分析は漠然と行うのではなく、実施によってどんな成果を得たいのか、社内で共有しておきましょう。また、データ分析の作業の大半はツールが行ってくれるとはいえ、基本的なデータ分析のスキルを持っておいた方が、より効率よく実施することが可能です。
 
データ分析は、仮説検証を念頭に置いて実施することも求められます。どのようなデータに注目するのが良いか、このデータを詳しく分析すれば欲しい情報が得られるのではないかという試行錯誤を繰り返すことを通じて、徐々に分析精度が改善されてきます。

バックオフィスのデータ分析に活躍するツール

バックオフィスのデータ分析に活躍するツール

バックオフィスのデータ分析に活躍するツールとしては、以下のような例が挙げられます。

IDX

IDXは、国内企業のDXを後押しするために開発された国産のデータプラットフォームです。社内に点在するデータを一つのデータベースに集約し、セキュアな環境でAIを活用できるデータ活用を促してくれるため、データドリブンな組織へと迅速にアップデートできます。
 
データ管理はクラウド上で実施し、オンプレミスのサーバーが攻撃されてデータベースが使えなくなったり、災害でサーバーが動かせなくなったりするようなリスクも回避できます。
 
参考:https://www.idx.jp/

MOTION BOARD

MOTION BOARDはデータの集約と可視化を進め、課題解決につながるアクションを促せるデータ分析プラットフォームです。
 
3,500を超える導入実績を有する人気のこの製品は、Excel的なユーザビリティはそのまま維持しながらクラウド上で独自のデータベースを利用できるため、利便性の向上とシステム移行負担の低減の両立ができます。
 
システム上に必要なツールと情報の全てが集約され、業務の属人化回避にも役立つサービスです。
 
公式サイト:https://www.wingarc.com/product/motionboard/

MeeCap

MeeCapは従業員のワークログを収集し、分析にかけることで継続的な改善を促せるデータ分析プラットフォームです。現場の就業環境を瞬時に可視化して、課題の発見と分析を後押しします。
 
日々のワークログから効率改善の余地がある点を把握したり、一定のシグナルを発見したりすることで、ボトルネックを客観的に導けるところが高く評価されているサービスです。
 
公式サイト:https://www.mee-cap.com/

まとめ

この記事では、バックオフィス業務の一種として注目されるデータ分析について解説しました。DXによって得られるのは業務の自動化だけでなく、デジタルデータの利活用によって新しい成長のチャンスもここに含まれます。
 
データ分析を実施するにはある程度スキルを有していたり、専用の分析ツールの導入だったりが求められますが、Fabeeではこれらの支援を提供しています。
 
DXに伴うツールの選定や導入の支援に加え、成果を最大限発揮するための人材育成などもお手伝いができるので、DXを検討の際にはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

阿部 雅文

阿部 雅文

コンサルタント

北海道大学法学部卒業。新卒でITベンチャー企業入社し、20代で新規事業の事業部長を経験。その後さらなる事業開発の経験を積むために、戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。2021年5月にFabeeeにジョイン。DXコンサルタントとして大手メーカーや総合商社などを担当するほか、数多くのクライアントから指名を受け、各社の事業開発を支援中。多忙を極める中でも、丁寧で迅速な対応が顧客から高い評価を得ている。