さまざまな分野に活用され始めている、メタバース。今はオフィスをメタバース内に設ける企業も増えており、メタバースに対する期待の高さが伺えます。
そこで今回は、メタバースオフィスについて深掘り。メタバース内での会議とこれまでのビデオ会議との違いや、メタアースオフィスを設けることのメリットについて解説していきます。
メタバースオフィスの利用状況
新型コロナウイルスの存在が後押しとなり、働き方の一つとして確立したテレワーク。コミュニケーションの方法も、オフラインからオンラインへと切り替わり、zoomなどのビデオ会議システムが普及していきました。
ビデオ会議でもお互いの顔を見合ったり画面の共有ができたりと、スムーズにコミュニケーションを取ることはできます。しかし、メタバースオフィスは相手がいる方から声が聞こえたり、メタバース内にホワイトボードやPCを持ち込むことができたりと、よりリアルに相手の存在を感じることができるのが一番のメリット。そのメリットを活かすべく、実際の業務内でバーチャルオフィスの活用を模索する企業が増えています。
とは言え、まだまだメタバースオフィスの実用には課題があるという声も。
- メタバースオフィスを使用する前の設定に時間がかかる
- VRゴーグルが重くてせいぜい1時間くらいしか着用できない
- 長時間使用すると酔う
- 手元にある飲み物が気軽に取れない
- 参加人数が限定されているため、全社員でのミーティングができない
…など、実際にメタバースオフィスを試した企業からはデメリットに関する意見も出ています。
ただ、ビデオ会議システムとは違うメタバースオフィスならではのメリットがあるのも事実。
- 相手がいる方から声がするので、より身近に感じられる
- ビデオ会議独特の間が生まれず会話がしやすい
- 自分のPCの画面をメタバースオフィス内に映し出すことができる
- 普段オフィスではできないようなファッションを楽しめる
- テーマに合わせてオフィスを変えられる
…など、メタバースオフィスならではのメリットもたくさんあるので、今後の普及率のアップに注目です。
■メタバースについて知りたい方はこちら
メタバースオフィスはビデオ会議・チャットツールとどう違う?
テレワークを積極採用する企業が増えた昨今。ミーティングやクライアントとの打ち合わせなどに活用され始めたのが、ビデオ会議システムやチャットツールなどです。
これまでは会議や商談は必ず相手と直接会って行うというのが常識でしたが、ビデオ会議システムやチャットツールが定着したことによって、それぞれがいる場所に囚われることなくコミュニケーションを取ることができるようになりました。
ビデオ会議システムやチャットツールは、日本国内の企業でも約60%導入されており、今やビジネスにおいてなくてはならない存在となっています。感染症の蔓延を機に浸透したビデオ会議システムやチャットツールですが、それに代わる存在として注目を集めているのがメタバースオフィスです。
ビデオ会議システムやチャットツールよりも、さらに近未来的な存在であるメタバースオフィスですが、まずはそれぞれの違いを明確にしておきましょう。
常時接続できるかどうか
まずは、メタバースオフィスとビデオ会議システムとの違いから。それぞれの大きな違いとしてまず挙げたいのが、常時接続できるかどうかです。
ビデオ会議システムは、相手ありきで接続できるもの。ビデオ会議システム自体は社外の人間とコミュニケーションを取るためのツールとして開発されていますが、常時開き続けるものではありません。
しかし、ビデオ会議システムで相手と接続するためには、相手側もビデオ会議システムを開いていなければならないため、あらかじめ日時を調整して予定の日時に合わせてシステムを開くのが一般的です。
一方メタバースオフィスは、社外の人間はもちろん社内の人間ともコミュニケーションを取ることを前提としたツール。“相手と接続する”というよりもバーチャルに存在する区間を共有しているようなイメージです。
アバターという自分の分身をメタバースオフィス内に存在させておくことで、たまたま同じ場所に居合わせた社員と雑談など気軽にコミュニケーションを取ることが可能。現実世界のオフィスと同じようにオンライン上でも他者とコミュニケーションを取れることが、メタバースオフィスのメリットです。
変更がリアルタイムで共有できる
メタバースオフィスは、仮想でありながらも現実と似たような感覚でコミュニケーションを取れるのが特徴です。3Dでの図面の共有などが求められる建設や製造の業界では、メタバースオフィスを活用することで、同じ空間の中で図面やモデルなどに対する変更をリアルタイムで共有できるようになります。
チャットツールなどで他者と図面やモデルについてやりとりする場合、誰かが修正したデータをチャットに添付して送信し、それを各自が開封して確認するというステップをふみますが、メタバースオフィスの場合はこのステップが不要。オンライン上の同じ空間内で修正データも共有できるため、よりリアルに近い感覚でのやりとりを行うことができます。
メタバース内にオフィスを持つメリット
メタバースオフィスの導入には、どういったメリットがあるのでしょうか。
人材採用の地域が限定されない
メタバースオフィスは、現実世界にあるオフィスとは違い日本全国・世界各国から簡単にアクセスできることが特徴。そのため、今までは現実世界にあるオフィスへ出勤できる範囲内に住んでいる人からしか人材を集めることができませんでしたが、メタバースオフィスを導入すれば地域を限定することなく、日本中・世界中から理想の人材を集めることができるようになります。
どこからでも出勤できるようになるということは、出張や転勤と言った概念もなくなるということ。多言語を同時翻訳するようなシステムも搭載されているため、言葉の壁も気にする必要がありません。
本当に必要な人材を見つけたいという企業にこそ、メタバースオフィスの導入はメリットが大きいと言えるのではないでしょうか。
感染症流行の際も影響を受けない
感染症の流行は、現実世界でのオフィス通勤に大きな影響を与えます。新型コロナウイルス蔓延の際には、感染拡大防止のためにオフィスへの出社が禁止されるような事態も起こりました。
メタバースオフィスは、仮想空間に存在するオフィスであるため、感染症蔓延による影響を受けません。そのため、感染症によるイレギュラーが起きた場合にも、通常通りの勤務を続けることができるのです。
平時からメタバースオフィスを稼働させておくことは、感染症流行の際にも動じない企業を作り上げていく上でこれから重要な意味をなしていきます。
現実感が残る
ビデオ会議システムやチャットツールとは違い、メタバースオフィスは現実感を残せるということが大きな特徴です。テレワークの場合、平面の画面を通じて相手を見ることはできても、存在を近くに感じることはできません。
メタバースオフィスなら、同じ企業で働く社員同士がお互いの存在を感じながら仕事を行うことが可能。社員たちがそれぞれ別の場所で仕事を行っても孤立感が生まれることはなく、チームを意識しながら仕事が続けられます。
オフィスの賃料をカットできる
メタバースオフィスを導入すれば、現実世界におけるオフィスが不要になります。そのため、オフィスを維持するためにかかっていた賃料なども、丸ごとカットが可能。
もちろんメタバースオフィス導入のためにもコストはかかりますが、それを差し引いても数十万円~数百万円のカットにつながるため、企業にとって大きな節約となることは間違いありません。
ビジネス向けのVR会議
ここからは、ビジネス向けVR会議システムのおすすめをご紹介します。
Fabeee Metaverse Package
fabeee株式会社が提供している「Fabeee Metaverse Package」は、独自のメタバースを構築しようと考えている企業に向けて開発された企業向けのパッケージサービスです。PCはもちろんスマホからも接続できたり、20人まで同時に接続できたりと、パッケージサービスながら機能面が充実しているのが特徴。音声チャット機能だけでなくテキストチャット機能も兼ね備えているため、声が出せないような場所にいる人もスムーズに会議に参加することができます。
パッケージサービスとして提供することで、低価格も実現。詳細に関しては、Fabeee Metaverse PackageのHPをご確認ください。
Fabeee Metaverse Package
rumii
アメリカ・シアトルのDoghead Simulations提供の「rumii」は、教育ソフトウェアやビジネス会議に向けて開発されたVR会議アプリです。ホワイトボードやPC画面が共有できるのはもちろん、3Dモデルを同じ空間上で共有することが可能。
教育分野・ビジネス会議での使用に特化して開発されているため、教室の環境や仕事の環境を自由にカスタマイズできるなど、非常に使いやすい仕様になっています。デバイスを問わずに最大20名までが参加できるマルチプラットフォームにも対応しており、比較的人数の多い会議でも活用可能です。
利用料金は、機能制限のあるプランであれば無料。全機能利用できるプランでも日本円にして2,000円ほどで利用できるとあって、導入コストを抑えたい企業におすすめです。
一般ユーザー向けのソーシャルVR会議
続いて、一般ユーザー向けのソーシャルVR会議システムをご紹介します。
Rec Room
アメリカ・シアトルのAgainst Gravityが開発した「Rec Room」は、ゲーム感覚で楽しめる一般ユーザー向けソーシャルVR会議アプリです。一般ユーザー向けソーシャルVR会議アプリにはさまざまなタイプのものがありますが、ゲームがベースとなっているのはRec Roomならではだと言えます。
Meta社開発のVRヘッドセット「Oculus Quest2」だけで完結するのも、Rec Roomの大きな特徴。アメリカの企業が開発したアプリであることから、日本人ユーザーの数もまだまだ少ないのですが、コミュニケーションの手段が“ゲーム”であるため言葉の壁に対する心配は不要です。
感覚的には、「あつまれどうぶつの森」や「マインクラフト」などと同じようなイメージ。ゲームを通じて仲間が増えていくような内容になっており、気軽に海外の人とコミュニケーションを取ることができるアプリです。
cluster.
日本のVRベンチャー企業であるクラスターが開発した「cluster.」は、“集まる”シチュエーションに活用しやすい一般ユーザー向けソーシャルVR会議アプリです。cluster.を使うことで誰もがバーチャルイベントを開催したりミーティングを開催したりと、メタバース内の空間を活用できるようになります。
一般ユーザー向けソーシャルVR会議は、ユーザー同士対等であることが一般的。cluster.では、一部の特別な権限を持ったユーザーだけがスクリーンに画像を映し出すなどのアクションを起こすことができ、他者とコミュニケーションを取ることよりも人々が集まることに重きを置いたVR会議アプリとなっています。
まとめ
未来の社会を創造していくために欠かせない存在となる、メタバースオフィス。弊社でも「Fabeee Metaverse Package」を通じて企業の未来を作るお手伝いをしているので、ぜひご活用ください。