投稿日 2023.07.20

最終更新日 2023.07.20

「Bing AI」と「Chatgpt」の違いは?機能や性能、料金などを比較

「Bing AI」と「Chatgpt」の違いは?機能や性能、料金などを比較

BingAIとは?

BingAIの基本情報

BingAIとは、世界的に注目されている生成AIの1つで、2023年2月にMicrosoft社から提供されました。Microsoft社からはそれ以前に検索エンジン「Bing」がリリースされており、この「Bing」に新たに搭載された機能がBingAIです。そのためBingAIでは、検索エンジンとチャットボットの両方の機能が備わっているのが特徴です。言語モデルはGPT-4が搭載されており、基本的に無料で利用できるのも大きな特徴と言えるでしょう。

BingAIで何ができる?

質問への回答や雑談、情報収集、要約、翻訳をはじめ、小説やプログラミングのコードなど、クリエイティブなタスクにも応えられます。また、文字情報を元に、画像やイラストの生成も可能です。何より、AIでありながら機械的でない、人間が書いたような自然な文章でやり取りできることが、これまでのAIチャットと異なる点として注目されています。

BingAIを利用するには

BingAIを利用するには、2つの条件を満たす必要があります。1つめは、Microsoftアカウントを作成し、ログインすることです。Microsoftアカウントは誰でも無料で取得できます。2つめは、BingAIが利用できる環境を整えることです。BeingAIが利用できるブラウザは、Microsoft社のWebブラウザである、「Microsoft Edge」のみです。Edgeから検索エンジン「Bing」を開き「チャット」タグを選択するとチャット入力画面に入れます。他のブラウザからでは、BingAIの利用はできません。
 
これら2つの利用条件を満たせば、誰でもBingAIを利用できます。スマホアプリやMac版のアプリもあるため、Macのパソコンでもスマホでも利用が可能です。

BingAIの特徴

BingAIの大きな特徴は、記述コンテンツだけでなく、視覚コンテンツも生成できることです。「Bing Image Creator」と呼ばれる画像生成機能が搭載されており、チャット上で画像の生成や、既存の画像の加工が可能になります。画像の生成だけでなく、生成した画像をダウンロードすることもできます。

BingAIの注意点

BingAIに限らず、生成AIの利用全般に言えることですが、AIの回答には、間違った回答が含まれていることもあります。時には事実とは異なった回答をすることがあるため、情報の正確性に欠ける場合もあると、あらかじめ念頭に置く必要があるでしょう。BingAIで得た回答を鵜呑みにせず、ファクトチェックすることが重要です。
 
また、回答までに時間がかかる場合があるのも、BingAIを利用する上での注意点として挙げられるでしょう。BingAIのChat機能は、Bing検索を経由して質問への回答を行っています。そのため、回答までに数十秒かかるケースも少なくありません。最新情報にアクセスできる上、自分で情報を集めるよりも遙かに時間短縮になるとはいえ、迅速に回答が欲しい場合は待っている時間がストレスに感じられることもあるでしょう。
 
BingAIを利用する上で、質問できる回数に限りがある点にも、注意が必要です。BingAIに質問を行うと、回答が表示されている右下に現在の回答回数が表示されます。1つの質問に対し、連続で回答できる回数は最大30回のため、回答回数を超えるとリセットされてしまいます。同じ質問に対し角度を変えて質問を重ねることで回答の精度が上がっていくため、制限数内で満足のいく回答を得られるよう、質問の仕方を変えるなど、工夫が必要となるでしょう。

BingAIとChatGPT(チャットGPT)の違いは?

BingAIとChatGPT(チャットGPT)の違いは?

BingAIとChatGPTの基本性能について

BingAIとChatGPTの機能や性能、料金などをそれぞれ比較してみましょう。
【BingAI】

  • 提供元:Microsoft
  • 言語モデル:GPT-4
  • 料金:無料
  • 日本語対応:入力・出力ともに対応
  • 情報の鮮度:最新データにも対応

 
【ChatGPT】

  • 提供元:Open AI
  • 言語モデル:GPT-3.5、GPT-4
  • 料金:GPT-3.5は無料、GPT-4は月額20ドル
  • 日本語対応:入力・出力ともに対応。ただし、設定や登録ページは英語。
  • 情報の鮮度:基本的に2021年9月までのデータ

使い方の違い

BingAIはMicrosoft Edgeからチャットを開始しますが、その際回答スタイルを「独創性」、「厳密」、「バランス」の3つから選択できます。「独創性」は想像力に富んだ回答を得られるものの、正確性はあまり期待できないと言えるでしょう。「厳密」は正確性を重視し、問いに対して事実に基づく簡潔な回答が得られます。「バランス」は独創性と厳密さのバランスを取った回答が得られます。ChatGPTは、OpenAIの公式Webサイトからアカウント登録し、ログインすることで利用できます。BingAIでは使用できるブラウザが決まっていますが、ChatGPTではどのブラウザであっても利用が可能です。

料金の違い

BingAIでは、言語モデルGPT-4を無料で利用できます。ChatGPTではGPT-3.5であれば無料で利用できますが、GPT-4は月額20ドルの有料プランのみです。

学習データの違い

BingAIはBing検索と連携しており、学習データだけでなく最新の情報が取得可能です。情報の参照元も表示されるため、自分で参照元をたどり、より多くの情報を得ることもできるでしょう。ChatGPTでは、回答の元となる学習データは2021年9月までのものであり、最新の情報については答えることができません。ただし、有料版では「ChatGPTプラグイン」を使うことで、Web上から最新の情報が取得できるようになります。

利用制限について

BingAIでは、1回の会話では30回のターンが可能で、1日で合計300回のやり取りが可能です。ChatGPTでは、GPT-3.5は制限なく利用できます。有料版のGPT-4では、3時間ごとに25メッセージまでの使用が可能です。1日に換算すると、200回使用できることになります。

プラグイン数の違い

生成AIでは、プラグインと呼ばれる生成AIと連携する拡張機能が注目を集めています。生成AIの機能を充実させる上で、利用できるプラグインの数は重要だと考える人は多いでしょう。そのプラグインの数も、BingAIとChat GPTでは違いがあります。BingAIでは、OpenAIとMicrosoftが共同で構築している一部のプラグインは利用できますが、その数は限りがあります。一方ChatGPTでは、さまざまな種類のプラグインがリリースされており、200以上のプラグインが無料で利用可能です。

それぞれの特徴

BingAIは、質問やリクエストに対して対話形式で回答したり、画像や動画を生成したりすることが可能です。検索エンジンに結びついた生成AIのため、情報の検索に優れており、情報収集や情報を分かりやすくまとめる能力に長けています。情報の参照元が表示されるため、情報の正確性に懸念がないか事実確認も容易に行えるでしょう。ChatGPTは、チャットでの質問やリクエストに応えるだけでなく、プログラミングや文章作成といった、高度なクリエイティブ能力が求められるタスクにも対応できます。また、まるで人間が話しているかのような自然な対話ができるコミュニケーション面の強みも特徴です。

BingAI、ChatGPTでしかできないこと

BingAIはテキストの他、音声でのやり取りにも対応しています。一方、ChatGPTではテキストベースでのやり取りに限られています。

BingAIとChatGPT、どう使い分ける?

BingAIは、検索エンジンとしての機能に優れ、最新の情報や高品質な画像の生成が可能です。そのため、情報収集や画像の生成、加工をする場合はBingAIの利用が適しているでしょう。また、最新の情報を得たい場合や、情報源を明確にしたい、正確性を重視する場合にも、BingAIが適しています。BingAIでは回答の「詳細情報」に情報源の詳細が表示されるため、容易に情報源をたどれます。
 
ChatGPTは、創作物の執筆や雑談などに適したAIで、想像力や表現力に優れています。人間らしい会話や、詩、物語といった創作物においては、ChatGPTの利用が適しているでしょう。BingAIもChatGPTもそれぞれ違いがあり、強みや生かせる場面もさまざまです。両方利用してみて、好みや目的に応じて使い分けるのも良いでしょう。どちらも使いこなせるようになると、仕事の効率化にも繋がります。

この記事の監修者