ChatGPTのCode Interpreter(コードインタープリター)とは？
ChatGPTのコードインタープリターとは、ChatGPT公式のプラグインのことです。チャットボットとしての機能が主であるChatGPTの上位互換であり、複雑な作業に対応した大規模言語モデルGPT-4で使用できます。ChatGPTは、AIやアプリのプログラミングに使えるPythonのコードを自動で生成することができますが、実行することはできません。しかしながら、コードインタープリターを実装したGPT-4ならば、ChatGPT内にある隔離された領域、すなわちサンドボックス内にてPythonのコードの自動生成、実行、解析などの作業が可能です。
コードインタープリターがあれば、動作することを確認済みのコードをやり取りできるようになります。また、適切な指示を与えることで、データを分析し人間が理解しやすいようにグラフを作成することも可能です。コードインタープリターを上手く使えば、業務の効率化を実現できるでしょう。
専門知識を持たない人でも、コードインタープリターを適用しておけば会話形式の命令を入力するだけでデータ分析などの作業をこなせるのは魅力です。専門的な業務を行うのであれば無理かもしれませんが、簡単な作業だけであれば熟練のプログラマーを雇う必要がなくなり、人件費を大幅に削れます。コスト削減を図る企業にとって、コードインタープリターは心強い味方となるでしょう。
コードインタープリターを扱う上での注意点は、インターネットへの接続は制御されていることです。データを解析してグラフを作れと命令するとき、リアルタイムで更新されるデータをインターネットから取得することはできません。これは、コードインタープリターを利用して生成したコードが外部に流出したとき思わぬトラブルを招く危険性があるためです。もし、必要なデータがあるときには、既にあるデータを利用するか、プロンプトという形でデータを入力しなければならないでしょう。加えて、AIが必ず正しい結果を出すとは限らないことも注意するべきです。AIの精度が落ちれば、データを誤って分析し間違った結論を出すこともあります。人によるチェックもある程度は必要です。
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Code Interpreter(コードインタープリター)の料金は？無料で使えるのか。
コードインタープリターを単体で利用するための料金は設定されていません。しかしながら、コードインタープリターは、ChatGTPのベースであるGPT-3.5の後継モデルGPT-4向けのプラグインです。GPT-4にアクセスするためには、月額20ドルを支払う有料版「Plus」を契約しなければいけません。仮に為替相場が1ドル140円だとすれば、料金は月額2,800円かかることになります。なお、「Plus」はサブスクリプションサービスですから、契約している間は使えるものです。必要な期間だけ契約するという使い方をすれば、支払いの負担を軽くすることができるでしょう。
Code Interpreter(コードインタープリター)の機能を解説
コードインタープリターの機能ですが、まず挙げられるのがデータの分析です。Excelなどのフォーマットで保存したデータをアップロードすると、AIが中身を分析してくれます。分析されたデータは、分類や変換等の操作を行えます。また、棒グラフや散布図などのグラフにできデータの中身を視覚的にわかりやすい形にできるでしょう。
データを様々なファイル形式でアップロード、及び読み書きできるのもコードインタープリターの機能です。テキスト、CSV、Excelを始めとした数多くのファイル形式に対応しています。この機能により、ユーザーは、データに対するpythonコードの実行がしやすくなります。アップロードしたデータを効果的に利用するべく、機械学習やデータマイニングなどの支援機能もあります。
コードインタープリターでデータを活用するとき、アップロードできるファイルの形式は、以下の通りです。
- Excel
- Jpegやgifなどの画像ファイル
- CSV
- ZIP
- テキスト・Mp4やaviなどの動画ファイル
- Jupyter ノートブック
- Python スクリプト
なお、アップロードできるファイルの容量は、512MBが上限なので注意しましょう。
コーディングとデバッグに関する機能も、コードインタープリターの重要な機能です。Pythonコードを生成し実行することができます。コードの生成をするための命令は自然言語で行えますから、専門的な知識が不要です。また、生成したコードが、正常に動作をするのかを仮想環境で行うことが出来ます。必要であれば、コードの解説や改善などもコードインタープリターが行います。
Code Interpreter(コードインタープリター)の利用法は？
コードインタープリターを利用するためには、まずChatGPTの有料サービスである「Plus」の契約をしなければいけません。ChatGPTのアカウントにログインした後、「Upgrade to Plus」続いて「Upgrade plan」をクリックします。カード情報や請求書の宛先となる住所を入力し、規約の確認を済ませたら「申し込む」のボタンをクリックすれば登録完了です。確認メールが届き、「Plus」を利用できるようになります。
「Plus」の契約が済んだら、ChatGPTの「…」というアイコンから設定画面を開きます。「Settings」をクリックした後、「Beta feautures」という項目を開きましょう。そこにはプラグインとコードインタープリターを有効化するスライダーがあるので、有効化する方へと動かします。再びChatGPTの画面に戻り、「GPT-3.5」から「GPT-4」へと切り替え、コードインタープリターという項目にチェックを入れると準備は完了です。これで、コードインタープリターをいつでも使える状態になります。
コードインタープリターを使える環境が整ったら、チャット上でやらせたいことをプロンプト文にして入力をします。データが必要なときには、対応するファイルを入力部分のプラスボタンから選択してアップロードしましょう。プロンプト文は、「昨年度の会社の業績がわかる棒グラフを作成して下さい」「アンケートの結果を円グラフにしてください」というように簡単な内容で構いません。しばらく待つと結果が出力されます。結果で表示された画像ファイルやソースコードなどは、ダウンロードできるので必要な場所で使いましょう。
Code Interpreter(コードインタープリター)でできることとは？
コードインタープリターでできることですが、Pythonコードの生成・実行・評価をしてくれるということから、アプリ開発で活躍するでしょう。例えば、自分の理想とするゲームを作りたいけれども、コーディングの知識がないというときにコードインタープリターに、キャラクターや世界観などの設定とあらすじ、簡単なゲームシステムなどを入力すれば完成品が出来上がります。
他には、データを読み込み分析し、内容をわかりやすく視覚化できる機能があるので、資料の作成で活躍します。例えば、マーケティングの業務では、アンケートの結果やSNSにおける数値の変化などを読み解き、資料にまとめなければならないこともあるでしょう。人の手で資料を作成するならば、データを読み込み分析して傾向や今後の予想を導き出すために、相当な時間を費やすことになります。
その点、コードインタープリターなら短時間で結果を出力できます。人がやることは、最初にデータをアップロードし命令をプロンプト文で入力するだけです。作業時間を大幅に短縮できたら、代わりに重要な作業に集中して取り組めます。必要とあれば、スライドを作成してパワーポイントファイルにまとめることもできます。
自然言語でプロンプト文を書くと機械言語でコードを生成、実行・評価してくれるという機能は、プログラミング教育の支援にも活用できます。学習者は、コードインタープリターに与えた問題に対して回答となるコードとはどのようなものであったのかを知ることでコードの構造を理解することができるでしょう。
マーケティングでは、統計学などの知識を用いて予測モデルを作成することもあります。コードインタープリターがあれば、特定の資源について過去の価格の推移から将来を予想したり、特定の企業の過去の売上から今後どうなるのかを予測したりできます。予測モデルを作成するときは自然言語で命令を出せばいいので、専門知識を持っていなくとも問題はありません。
