投稿日 2024.06.03

最終更新日 2024.06.03

中小企業が経理業務で業務自動化を実現した事例の紹介。

中小企業が経理業務で業務自動化を実現した事例の紹介。

中小企業の経理業務

中小企業にとって、経理業務は非常に重要な役割を担っています。経理業務は、会社の財務状況を正確に把握し、適切な意思決定を行うための基盤となるからです。しかし、中小企業では限られた人員と資源で経理業務を遂行しなければならないため、効率化が大きな課題となっています。

具体的には、請求書の発行や支払い、経費精算、財務諸表の作成など、多岐にわたる業務を滞りなく処理する必要があります。また、税法の改正や会計基準の変更にも適切に対応しなければなりません。こうした業務を手作業で行っていては、膨大な時間と手間がかかってしまいます。

さらに、人的ミスのリスクも無視できません。計算間違いや入力ミスは、経営に大きな影響を与えかねません。特に、中小企業では経理担当者が少人数であることが多く、チェック体制が不十分になりがちです。

これらの課題を解決するために、近年、多くの中小企業が経理業務の自動化に取り組んでいます。クラウド会計ソフトの導入や、AIを活用した請求書の自動読み取りなど、テクノロジーを駆使することで、業務の効率化と高度化を実現しているのです。

自動化によって、経理担当者は単純作業から解放され、より戦略的な業務に注力できるようになります。また、ミスの削減や不正の防止にも役立ちます。経営者にとっても、リアルタイムで財務状況を把握できるようになるため、迅速な意思決定が可能となります。

中小企業が競争力を維持・強化していくためには、経理業務の自動化は不可欠なテーマといえるでしょう。自社の状況に合わせて、最適なソリューションを選択し、着実に導入していくことが求められます。

続いて、中小企業の業務効率化の成功事例を3つ紹介します。これらの事例から、自社の経理業務改善のヒントを得ていただければ幸いです。

中小企業の業務効率化の成功事例3選

1. A社:クラウド会計ソフトを使って業務効率化を実現

月次決算を3日から1日に短縮 A社は、従業員50名の製造業です。以前は、経理担当者が手作業で請求書の発行や仕訳作業を行っていたため、月次決算に3日かかっていました。大量の作業と計算・入力ミスで残業が常態化する課題がありました。 そこで、A社はクラウド型会計ソフトを導入。請求書の自動発行や銀行口座との自動連携で手入力の手間を削減し、ミス防止にも成功。経費精算や財務諸表作成の自動化で月次決算を1日で完了できるように。 クラウド会計ソフト導入時は社内ITリテラシーが課題でしたが、ベンダーの丁寧な研修とマニュアル整備でスムーズに移行。導入後、経理担当者の残業が大幅に減り、モチベーションもアップしました。 さらに、クラウドでのデータ一元管理により、経営者がリアルタイムで財務状況を把握可能に。意思決定のスピードと質が向上し、業績アップにも貢献しています。クラウド会計ソフトで経理業務を効率化するA社の事例をご紹介しました。

2. B社:AIによる請求書の自動読み取りで処理速度が5倍に!

業務効率化を実現 B社は従業員100名の小売業。毎月1,000枚以上の請求書処理が必要で、従来はスキャン後に手入力で会計ソフトに取り込む方式で多大な時間と手間がかかっていました。 そこで、B社はAIを活用した請求書の自動読み取りサービスを導入。AIがスキャンデータから必要な情報を自動抽出し会計ソフトに取り込むことで、手入力が不要に。処理速度が5倍に向上しミスも大幅に減少しました。 請求書の自動読み取りにはAI学習に一定の時間を要しますが、B社はサービス提供会社と緊密に連携し短期間で高精度を実現。導入後、経理担当者が戦略的業務にシフトでき部門の生産性が向上しています。 また、請求書のデジタル化で検索性が格段に向上。過去の取引履歴を瞬時に参照できるようになり、問い合わせ対応や取引先とのコミュニケーションがスムーズになったのも大きな効果です。B社のAI活用による業務効率化をぜひ参考にしてください。

3. C社:RPAによる支払処理の自動化で人的ミスを90%削減!

業務効率化に成功 広告代理店のC社は、従業員200名で多数のクライアントを抱えており、毎月の支払処理が膨大な作業に。手作業では人的ミスが発生しやすく、支払遅延やトラブルが頻発していました。 C社はこの課題解決にRPAを活用した支払処理自動化に着手。RPAはルールに従ってパソコン操作を自動で行うソフトウェアロボットで、支払データ作成や送金処理を自動実行します。 RPAにより支払処理の人的ミスは90%削減され、トラブルも大幅に減少。処理時間短縮で経理担当者は戦略的タスクにシフトできるように。C社ではRPA導入から本番稼働までわずか3ヶ月で実現しました。 加えて、RPAは処理履歴を自動記録するため監査対応も容易に。これまで膨大な時間を要した監査業務が効率化され、経理部門の負荷が大きく軽減されています。C社の支払処理自動化による業務効率化をご紹介しました。
 
中小企業が経理業務を自動化し効率化を実現する際に参考になる3つの成功事例をお届けしました。
クラウド会計ソフトやAI、RPAなどのテクノロジー活用で作業時間短縮やミス削減だけでなく、経理担当者が戦略的業務にシフトし部門の生産性向上や、リアルタイムでのデータ把握による経営の意思決定の質の向上など、大きなメリットがあることがわかります。
 
一方、自動化にはITリテラシー向上や業務プロセス見直しなどの課題もありますが、ベンダーや専門家と協力した綿密な計画で乗り越えていくことが重要でしょう。
経理業務の自動化による効率化・生産性向上は、中小企業の成長戦略に欠かせない要素。クラウド会計ソフト、AI、RPAなどを活用した業務効率化で、大きな成果を生み出せます。
 
クラウド会計ソフトで請求書発行や仕訳作業を自動化し月次決算時間を短縮。経費精算や財務諸表作成の自動化で経理担当者の工数も削減。さらにクラウドでデータ一元管理し、経営者によるリアルタイムの財務把握で意思決定のスピードと質も向上します。
 
AIによる請求書の自動読み取りは、手入力の時間と手間を大幅に削減し処理速度を高速化。ミスも防げるようになります。 RPAの活用で支払処理を自動化すれば、人的ミスを削減しトラブルも防止。処理時間短縮で経理担当者は戦略的業務にシフトできます。
 
自動化で生み出した時間を経理担当者のスキルアップや戦略立案に充てることで、部門全体の生産性が高まるでしょう。
自動化の実現にはITリテラシー向上や業務プロセス見直しなどの課題もありますが、ベンダーや専門家との協力で乗り越えられます。スキルアップで経理担当者が経営戦略の立案・実行に関与できれば会社の成長に大きく寄与するはずです。
 
経理業務自動化は経営戦略の一環として全社的な視点で取り組むことが重要。他部門との連携で業務プロセスの最適化を図ることが求められます。 クラウド会計ソフトやAI、RPAなどのテクノロジー活用で経理業務の効率化を実現し、経理担当者を戦略的業務にシフト。リアルタイムのデータ把握で経営の意思決定の質を高めることは、中小企業の競争力強化に不可欠です。 課題はありますが、ベンダーや専門家との連携と綿密な計画で乗り越えられるでしょう。自動化による時間創出は、経理担当者のスキルアップや戦略立案に活用することで部門の生産性を高められます。
 
経理業務自動化は経営戦略の重要な一環として、全社的な取り組みが肝要です。自動化のメリットを最大化し、中小企業の成長につなげていきましょう。

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この記事の監修者

阿部 雅文

阿部 雅文

コンサルタント

北海道大学法学部卒業。新卒でITベンチャー企業入社し、20代で新規事業の事業部長を経験。その後さらなる事業開発の経験を積むために、戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。2021年5月にFabeeeにジョイン。DXコンサルタントとして大手メーカーや総合商社などを担当するほか、数多くのクライアントから指名を受け、各社の事業開発を支援中。多忙を極める中でも、丁寧で迅速な対応が顧客から高い評価を得ている。