投稿日 2024.05.27

最終更新日 2024.05.27

経理の業務効率化の成功事例10選ご紹介

経理の業務効率化の成功事例10選ご紹介

経理の業務効率化とは

経理の業務効率化とは、経理部門における業務プロセスを見直し、効率的な方法で行うことで、労力や時間を削減し、生産性を向上させることを指します。以下に、経理の業務効率化の主要なポイントを詳しく説明します。

1. 業務プロセスの標準化と文書化

業務プロセスを標準化し、マニュアル化することで、作業の一貫性を保ち、ミスを減らすことができます。また、新しい担当者への引継ぎもスムーズになります。

2. デジタル化の推進

請求書や領収書などの紙書類をデジタル化することで、保管スペースを削減し、検索性を向上させることができます。また、クラウド上で共有することで、関係者間の情報共有も容易になります。

3. 会計ソフトウェアの導入

会計ソフトウェアを導入することで、仕訳や決算業務を自動化し、作業時間を大幅に短縮できます。また、リアルタイムでの財務状況の把握が可能になり、経営判断の迅速化にも貢献します。

4. 経費精算の電子化

従業員の経費精算をオンライン化することで、申請から承認までのプロセスを効率化できます。また、紙の書類の移動や保管に関わる手間も削減できます。

5. 銀行との連携強化

銀行との API 連携により、入出金データを自動的に会計ソフトに取り込むことができます。これにより、手入力の手間が省け、入力ミスも防げます。

6. 決済の電子化

請求書の発行や支払いをオンライン化することで、郵送や印刷に関わる時間とコストを削減できます。また、入金の確認も容易になります。

7. タスクの自動化

定型的なタスクを RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)で自動化することで、人的ミスを減らし、業務の効率化を図ることができます。

8. データ分析の活用

会計データを分析することで、経費の削減余地や収益改善の機会を見つけることができます。また、予算管理や将来予測にも役立ちます。

9. 教育とコミュニケーションの充実

経理担当者の教育を充実させ、スキルアップを図ることが重要です。また、他部門とのコミュニケーションを密にし、情報共有や協力体制を強化することで、経理業務の効率化につなげることができます。
 
経理の業務効率化は、単に作業時間を短縮するだけでなく、ミスを減らし、情報の可視化や分析を通じて、会社全体の生産性向上と経営判断の改善に寄与します。経理業務のデジタル化により、伝票処理や支払いの自動化、データ入力の省力化などが実現し、経理担当者は本来の業務である財務分析や戦略立案により注力できるようになります。また、リアルタイムでの財務データの把握や、AIを活用した予測分析などにより、経営層は迅速かつ的確な意思決定を行うことが可能になります。
 
デジタル技術を活用しながら、業務プロセスを継続的に見直し、改善していくことが求められます。クラウド会計ソフトやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入、ペーパーレス化の推進など、デジタルツールを効果的に活用することで、経理業務のさらなる効率化と高度化を図ることができます。また、データの標準化や業務フローの最適化、部門間連携の強化なども重要な取り組みです。こうした継続的な業務改善により、経理部門はより戦略的な役割を担い、企業価値の向上に貢献することが期待されます。
経理の業務効率化は、単に経理部門だけの課題ではなく、会社全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として捉える必要があります。経理業務のデジタル化で得られた知見やベストプラクティスを他部門にも展開し、組織全体のデジタル化を推進することが求められます。また、デジタル化の過程で、経理部門とIT部門の連携を強化し、デジタル人材の育成にも注力することが重要です。

業務効率化の成功事例10選

1. A社(大手製造業)

A社では、AIを活用した請求書の自動仕分けシステムを導入しました。従来は、経理担当者が1枚1枚目視で確認し、適切な部署に振り分ける必要がありましたが、AIが請求書の内容を自動的に判別し、適切な承認フローに乗せることで、処理速度が大幅に向上。経理担当者の工数を70%削減することに成功しました。

2. B社(大手小売業)

B社は、クラウド型の経費精算システムを導入し、経費申請から承認、精算までのプロセスを完全にペーパーレス化しました。従業員はスマホアプリで経費の申請や領収書の撮影ができるようになり、経理担当者は申請内容の確認や承認をワンクリックで行えるようになりました。これにより、経費精算にかかる時間を90%削減し、経理担当者が本来の業務に注力できる環境を実現しています。

3. C社(大手サービス業)

C社では、RPAを活用し、伝票処理や売掛金の消込作業を自動化しました。従来は、経理担当者が手作業で行っていた単純作業を、RPAが24時間365日行えるようになったことで、処理スピードが向上し、人的ミスも大幅に削減。経理担当者は、より高度な分析業務に注力できるようになりました。

4. D社(大手金融業)

D社は、AIを活用した不正検知システムを導入しました。AIが、膨大な取引データから不正な取引パターンを自動的に検知し、アラートを発信。経理担当者は、AIが検知した取引を重点的にチェックすることで、不正リスクの早期発見と、監査業務の効率化を実現しています。

5. E社(大手IT企業)

E社では、グループ会社間の取引を、ブロックチェーン技術で自動処理する仕組みを構築しました。従来は、グループ会社間の決済に複雑な手続きが必要でしたが、スマートコントラクトにより、条件を満たした取引が自動的に実行されるようになりました。これにより、決済にかかる時間と手間を大幅に削減し、グループ全体の資金効率を高めることに成功しています。

6. F社(大手物流業)

F社は、クラウド型の債権管理システムを導入し、与信管理業務を効率化しました。取引先の信用情報を一元管理し、AIが過去の取引履歴から信用リスクを自動評価。経理担当者は、AIが算出したリスクスコアをもとに、与信限度額の設定や、取引先への督促業務を効率的に行えるようになりました。

7. G社(大手建設業)

G社では、現場からの経費精算業務を大幅に効率化しました。従来は、現場の担当者が紙の領収書を集計し、経理部門に郵送する必要がありましたが、クラウド型の経費精算システムを導入したことで、現場からリアルタイムに経費データを送信できるようになりました。また、経理担当者は、システム上で申請内容を確認し、ワンクリックで承認処理を行えるため、処理スピードが大幅に向上しました。

8. H社(大手広告代理店)

H社は、AIを活用した予算管理システムを開発しました。AIが過去のプロジェクトの実績データを分析し、新規プロジェクトの予算を自動で作成。経理担当者は、AIが作成した予算案をベースに、詳細な調整を行うだけで済むようになりました。これにより、予算作成業務の工数を60%削減し、予算の精度も大幅に向上しました。

9. I社(大手製薬会社)

I社では、経理業務のグローバル標準化を進め、業務効率を大幅に改善しました。世界中の拠点で、統一された会計基準とシステムを導入。これにより、データの比較可能性が高まり、グローバルでの財務状況の把握がスピーディになりました。また、各拠点の経理担当者は、統一された業務プロセスに沿って効率的に業務を遂行できるようになり、生産性が30%向上しました。

10. J社(大手教育サービス業)

J社は、RPAを活用し、月次決算業務を大幅に効率化しました。従来は、経理担当者が手作業で行っていた勘定科目の付替えや、財務諸表の作成を、RPAが自動で行えるようになりました。これにより、決算作業にかかる時間を70%削減。経理担当者は、決算数値の分析や経営層への報告に、より多くの時間を割けるようになりました。
 
以上、業種や企業規模は異なりますが、いずれもデジタル技術を活用し、経理業務の大幅な効率化を実現した事例です。
 
これらの事例に共通しているのは、単に既存の業務をデジタル化するのではなく、業務プロセス自体を抜本的に見直し、デジタル技術の特性を最大限に活かしている点です。また、経理担当者の単純作業を削減することで、より付加価値の高い業務にシフトさせている点も重要なポイントといえます。
 
経理業務のDXを進めるためには、まず現状の業務プロセスを可視化し、効率化のポテンシャルを見極めることが肝要です。その上で、自社の業務特性や、ITリテラシーに合ったデジタル技術を選定し、段階的に導入していくことが重要でしょう。
 
また、経理業務のDXは、経理部門だけの取り組みでは実現できません。現場部門やIT部門、経営層とも連携し、全社的なDX戦略の中に位置づける必要があります。

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この記事の監修者

阿部 雅文

阿部 雅文

コンサルタント

北海道大学法学部卒業。新卒でITベンチャー企業入社し、20代で新規事業の事業部長を経験。その後さらなる事業開発の経験を積むために、戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。2021年5月にFabeeeにジョイン。DXコンサルタントとして大手メーカーや総合商社などを担当するほか、数多くのクライアントから指名を受け、各社の事業開発を支援中。多忙を極める中でも、丁寧で迅速な対応が顧客から高い評価を得ている。