投稿日 2023.09.19

最終更新日 2023.09.19

ChatGPT(チャットGPT)のEnterprise(エンタープライズ)とは?料金や機能、活用方法を解説

ChatGPT(チャットGPT)のEnterprise(エンタープライズ)とは?料金や機能、活用方法を解説

ChatGPT(チャットGPT)のEnterprise(エンタープライズ)とは?

まず初めに、ChartGPTのEnterpriseとはどのようなものかを理解するために、その概要に加えて、ChatGPT Plusとの違い、対象となる企業や申し込み方法について見ていくことにしましょう。

■ChatGPTに関して詳しく知りたい方はこちら

概要

ChatGPTのEnterpriseというのは、OpenAIが提供する企業向けのChatGPTの有料プランで、ビジネスの現場での利用を前提としたサービスとなっています。無料版のCharGPTと比べると、無制限にGPT-4を利用することができるようになっており、従来の4倍に当たる3万2000トークンもの長い文章を入力したり、理解したりできるスペックを備えています。それに加えて、セキュリティやプライバシーの保護機能も強化されているので、気密性の高い様々な情報を取り扱うビジネスシーンにおいても安心して使用することが可能です。さらに、データ解析の強化や管理画面の提供といった企業のニーズに合わせた数多くの特典が盛り込まれているというのも、企業にとってはうれしいポイントと言えるのではないでしょうか。

ChatGPT Plusとの違い

ChatGPTのEnterpriseとPlusは、いずれも有料のサービスであるという点では共通です。しかしながら、Enterpriseが大企業を対象にしているのに対し、Plusは個人を対象にしていることから、両者の間には様々な違いが存在しています。例えば、前述のとおり、Enterpriseは3万2000トークンものコンテキストウィンドウに対応していますが、Plusは個人向けであるためそこまでのハイスペックは必要とされておらず、使えるのは8,000トークンまでです。また、Enterpriseが無制限に高度なデータ分析を行えるのに対し、Plusについては一定の制限が設けられており、この点でも両者は異なります。他にも、チャットテンプレートの共有や管理コンソール、SSO、ドメイン認証、利用状況のダッシュボードなどは、Enterpriseでしか利用できない機能です。

対象企業

ChatGPTのEnterpriseの対象となる企業は、オフィシャルには明確にはされていません。しかしながら、インターネット上などで飛び交っている情報を踏まえると、一定以上の従業員を有する大企業に限ったサービスになっているようです。これは、「より小さなチーム向けのセルフサービスのプランを今後提供する予定である」とOpenAIが公表していることからも明らかでしょう。

申し込み方法

ChatGPTのEnterpriseは、2023年8月29日から提供が開始されたサービスです。専用のサイトが用意されているわけではないため、OpenAIの問い合わせフォームを使って申し込む必要があります。フォームでは、申込者の氏名や社名、肩書、メールアドレスのほか、会社の人員規模や業種、本社所在地などを入力必要があるので、申込みを行う場合にはあらかじめ必要な情報を用意しておくとよいでしょう。

ChatGPT(チャットGPT)のEnterprise(エンタープライズ)の機能

次に、ChatGPTのEnterpriseに搭載されている様々な機能について説明します。

高度な処理機能

ChatGPTのEnterpriseでは、GPT-4を無制限に利用することができ、最大2倍の処理速度でデータの分析を行えるようになっています。また、32,000トークンのコンテキストウィンドウに対応しているため、大容量のデータにも十分に対応可能です。そのため、無料版のChatGPTのように、インプットやアウトプットする情報量が多すぎて処理しきれないといった事態はあまり発生しないでしょう。それ以外に、チームメンバー間で共有可能なチャットテンプレートが用意されているので、複数のメンバーで連携して作業を行うような場合には非常に便利です。

高度なセキュリティ機能

従来板のChatGPTは、セキュリティ面やプライバシー面の脆弱性が指摘されていました。そのため、そうした点を踏まえて導入を躊躇している企業が少なくなかったのです。ChatGPTのEnterpriseでは、そのような課題を克服するために、高度なセキュリティ機能が搭載されています。具体的には、顧客のプロンプトと会社のデータをOpenAIモデルの学習に使用しないようにしたことによって、データの保護が徹底されました。データの保存時や転送時にも暗号化される仕組みになったので、送受信時に情報が漏洩する心配をせずに使用できるようになったのです。米国公認会計士協会(AICPA)が開発したサイバーセキュリティ・コンプライアンス・フレームワークであるSOC2にも準拠していることから、世界基準のセキュリティ対策が施されていると考えてよいでしょう。

ユーザー管理機能

ChatGPTのEnterpriseには、管理コンソールが設けられており、それを使って一括でメンバーを管理することが可能です。個別にユーザーを管理するという煩わしさから解放されるため、管理者にとっては非常に魅力的なサービスであると言えます。それだけでなく、SSO(シングルサインオン)やドメイン認証にも対応しているほか、ユーザーの使用状況を管理するためのダッシュボードも搭載されており、効率的にユーザーの管理が行えます。

追加が予定されている機能

ChatGPTのEnterpriseは、日々機能の強化が図られており、将来的にはより多くの機能が提供される可能性があります。例えば、近い将来には、既に使用しているアプリケーションを接続することによって、自社データを学習させてカスタマイズできる機能が搭載される予定になっています。また、パワーツールと呼ばれる、高度なデータ分析やブラウジングが行えるツールもいずれは搭載される見込みです。それ以外にも、データアナリストやマーケター、カスタマーサポートといった特定の職種に対応したツールも提供されるようですので、将来的には今まで以上に使い勝手のよいものになるはずです。

ChatGPT(チャットGPT)のEnterprise(エンタープライズ)の料金

ChatGPTのEnterpriseの料金プランは、残念ながら非公開となっています。インターネット上の情報によると、使用状況やユースケースなどに応じて料金体系が異なると言われていますが、確かな情報は公開されていないのです。ユーザー数などによってディスカウントしてもらえる場合があるかもしれませんが、詳しく知りたい場合にはOpenAIにコンタクトして聞いてみる必要があります。

ChatGP(チャットGPT)TのEnterprise(エンタープライズ)を導入するメリット

最後にChatGPTのEnterpriseを導入することによって得られるメリットを、いくつかピックアップして紹介します。

業務の効率化

ChatGPTのEnterpriseを導入すれば、企業などの業務を効率化できます。例えば、これまでは人手に頼っていたデータの収集やマーケティング用の資料の作成といった業務をAIを使って行えるようになるため、スピードアップを図れるだけでなく、正確性も大幅に向上させられるのです。従来版のChatGPTの場合には、コンテキストウィンドウのトークン数に制限が設けられていたり、データの処理速度もそこまで早くなかったりしたために、ビジネスで使うにはまだまだスペックが十分ではない部分がありましたが、Enterpriseの場合にはそういった課題の多くは解消されており、格段に使いやすくなっているのです。

コスト削減と人的リソースの効果的な活用

ChatGPTのEnterpriseを導入して事務作業などを処理できるようにすれば、これまでそれらの作業に従事していた人手が必要ではなくなります。いきなり人員削減を行うというのは現実的ではありませんが、中長期的には人員のスリム化が図れるようになるので、それによってコストを引き下げることが可能です。また、人員削減を行う代わりに、余剰になった人員に必要な研修を施して他の業務に従事できるようにすれば、それによって売上げを伸ばせるようになるかもしれません。限られた人的リソースをより効果的に活用できるようになるというのも、Enterpriseを導入する大きなメリットであると言えるでしょう。

社内のセキュリティ強化

これまでのChatGPTと比べて、Enterpriseは格段にセキュリティが強化されているため、これを導入すれば社内のセキュリティを大幅に強化できます。特に、個人情報を取り扱う企業においては、万が一情報漏洩を起こしてしまうと取り返しのつかない事態になりかねませんので、Enterpriseのようなサービスは非常に魅力的ではないでしょうか。

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