デジタル技術を駆使した建設業界のDXをご紹介します。
どの業界でもデジタル技術を活用しDXを推進する動きが活発になっていますが建設業界もその動きが進んでいます。デジタル化によりどの様な変化があり、社会にどの様な影響を与えるのか、また建設業界の現状の課題など様々な角度で建設業界全体がどのような取組みを実施しているのか見ていきます。
■建設DXとは
アナログな作業が多い建設業界でも近年DXが少しずつ進んでいます。
どの様な取組みをしているのかというと、建設機械をシステム化して自動的化、Iot、5G、AIの導入、BIMなどデジタル技術を駆使して、建設工程の効率化や現場での省人化や生産性向上を実施しています。
このように建設業界がDXを推進する事を建設DXといいます。
また国土交通省も令和5年度までの小規模を除く全ての公共工事におけるBIM/CIM原則適用に向けて、段階的に適用拡大を検討しています。
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DX推進に欠かせないloT導入とは?その仕組みやポイント、活用事例を解説
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5GがDX推進を加速させる?できるようになることやその影響力を知ろう
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■建設業界の現状と課題
労働不足
グラフを見ていただいて顕著に建設労働者の減少が進んでいます。
平成8年をピークに労働人口が右肩下がりになっています。
※出典 国土交通省(建設産業の現状と課題)建設投資、許可業者数及び就業者数の推移データ
・建設業就業者の若手不足
建設業の人手不足の原因として、建設業界で働く若者が少なくなっているという傾向があります。実際、1995年は64万人だった20代前半の就業者数が2010年では15万と、大幅に減少しています。
理由としては「きつい・汚い・危険」建設業に対して「3K」の印象があるためです。
また建設業では週休二日制は少なく、力仕事で重労働であり「きつい」印象が強く、野外による現場での作業のため「汚い」イメージがあります。高所での作業、建設機材による事故など「危険」を伴う仕事です。
・技術者、職人の人手不足
若年層の就業率も低く、現場で働く高齢化の問題や事量や負担に対する給料の低さや長時間労働による離職など技術者の減少が目立ちます。若者の待遇改善や育成、職場の環境改善などは急務です。また作業のオートメーション化の取り組みが必要となっています。
■建設業界のデジタル技術
BIM
BIMとは、「Building Information Modeling」の略称、BIMツールで3次元モデルを生成し、建設プロセス(設計,施工,維持管理)の情報を活用して効率化して建築の無駄を省き建物を構築する事ができます。
ICT
ICTとは、「Information and Communication Technology」の略称で、
情報通信技術の事です。ITを活用し建設工程におけるさまざまなデータ・情報の効率的な活用により、業務効率化、品質管理、人手不足の緩和、建設生産の合理化ができます。
国土交通省も建設ICTの推進に取り組んでいます。
ドローン活用
ドローンを活用のメリットは、現場で作業する人を危険にさらすことなく、現場の状況やデータ収集などができることです。
ドローン活用しに建設状況の進捗やデータ収集により、品質管理や安全管理、人員配置など状況確認が可能となります。
AR
ARとは「Augmented Reality」の略で、「拡張現実」といいます。
AR技術を使ったスマートフォンアプリ有名なものはポケモンGOがあります。
現実世界にナビゲーションや3Dデータ、動画などのデジタルコンテンツを表示させる技術です。建設業界では建築前のイメージの共有や施行中の設計図との照らし合わせなどに活用しています。それにより作り直しの損失低減や施工管理の負担を軽減に貢献しています。
VR
VRとは、「Virtual Reality(バーチャルリアリティー)」の略称で、仮想現実の事です。
建設業界では建設現場作業員の研修やBIM(3D)で設計したデータと連動してBIM設計したモデルを構築する事で業員全員にイメージの共有ができます。
■建設業界のDX事例
清水建設株式会社
清水建設は新築、既存を問わず実装できる建物運用のDXを支援するDX-Core(ディーエックスコア)を開発、建物内の施設機器(空調、自動ドア、エレベーターなど)が異なるメーカーでも制御できるアプリケーションです。
これにより顔認証でその人にあったエレベーターを着床、また設備内のロボット用の通路のドアを自動で開閉したりすることができるようになりました。
大成建設株式会社
現場全体にWi-Fiを設置と作業員の状況を把握する「IoT活用見える化システム」を融合し、「T-BasisX」を開発。これにより建設工程のデータ収集が可能となり、そのデータを分析する事で現場を効率化し生産性向上する事ができます。
竹中工務店
BIMを活用したDXに取り組んでおりレンドラ社のBIMクラウドプラットフォーム「StreamBIM」を活用。建設プロセスに必要な情報を活用して、設計・施工段階から維持・管理段階までのすべての関係者のコミュニケーションの円滑化および可視化し、建設現場の生産性向上をしています。
■まとめ
建設業界では人で不足による業務効率化をするためにAI、Iot、BIM/ ICTなど様々デジタル技術を駆使して建設DX推進が進んでいる様です。また国土交通省も社会資本や公共サービス、組織、プロセス、文化・風土、働き方の変革を後押しし、国を上げてDXの取組みをしています。今後の日本の建設DXがどのように躍進するのか期待したいと思います。
また弊社(Fabeee株式会社)のホワイトペーパーでも解説しています。DXとはという基本のところから「FabeeeDX」についてまで解説しているので、ヒントを得たいという人は、ぜひダウンロードして確認してみてください。