投稿日 2023.01.18

最終更新日 2023.01.18

DX推進に役立つツールを用途に合わせて解説【8選】

DX推進に役立つツールを用途に合わせて解説【8選】

DXツールとは?

近年、DXという言葉をビジネスの世界でよく聞くようになりました。DXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称です。DXは2004年にスウェーデン人の教授が提唱した概念で、デジタル技術の活用により生活のクオリティの向上や社会環境の改善を目指すというものです。日本においてDXは、デジタル技術やデータを活用することで企業のビジネスモデルや業務、組織の変革を行う取り組みを指しており、ビジネスに限定した狭義的な意味で使われることが一般的です。

そして、DX実現の手段として用いられるツールがDXツールとなります。注意したいのはITツールとDXツールは同じではないという点です。ビジネスモデルや業務、組織の変革へ貢献できるツールがDXツールとなります。具体的には情報の一元管理ができる、業務の効率化が図れる、データ活用ができるなどの機能を持つツールなどがDXツールに当てはまる場合が多いです。

おすすめのDXツール【8選】

おすすめのDXツール【8選】
DXツールには数多くの種類が存在するため、どれを選べばいいのか分からないという方も多いかもしれません。そこでここでは、数多くのDXツールの中からDXの第一歩としておすすめのDXツールを紹介していきます。

RPAツール

RPAとは、「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略称で、事務スタッフなどがパソコン上で行っている定型作業(作業の流れやパターンが定まった業務全般)をロボットにより自動化できるツールのことです。例えばデータをダウンロードして貼り付ける、日次レポートの作成、メール配信やデータの収集・分析など様々な定型作業をツールで自動化させることが可能です。定型作業を自動化させることで従業員が他の業務に集中できるため、業務の効率化が期待できます。また、人の代わりにロボットが実行することで人的ミスを減らす効果や人的コストの削減効果も期待できます。

オンライン会議システム

オンライン会議システムとは、PCやスマホなどのインターネット端末を介して、複数人でのビデオ通話や資料共有をスムーズに行うためのツールです。オンライン会議システムを導入することで、いつでもどこでも会議やオンライン面談が可能となります。場所を選ばず会議を行えるため、会議室など場所の確保が不要となったり、移動時間やスケジュール調整の手間が省けたりするので、業務の効率化が期待できます。オンライン会議システムにも様々なサービスがありますが、基本的にはツールの使いやすさやセキュリティを重視して選ぶと良いでしょう。頻繁にミーティングをする取引先があるなら、取引先が導入しているオンライン会議システムと同じものを選ぶのもおすすめです。

ワークフローシステム

ワークフローシステムとは、稟議や契約書、各種申請などの手続きを電子化するシステムで電子稟議システムとも呼ばれています。従来、紙で行っていた申請書や伝票を電子化できるため、紙の申請書に伴う手間や経費を大幅に削減できるのがメリットです。ワークフローシステムを導入すれば出先や自宅などからでも契約書や申請書の承認手続きが可能になるので、書類の確認のために出社する手間がありません。そのため承認者が不在で手続きが遅れるなどの事態が解消されやすくなり、業務の効率化に繋がります。また、各種申請データを検索・抽出・集計できるので、データ活用による業務内容の分析も可能です。

ビジネスチャットツール

ビジネスチャットツールとは、業務連絡などのビジネスコミュニケーションに特化したチャットツールのことです。社内SNSとも呼ばれ、従業員同士や部署間で簡単にメッセージのやり取りなどができるように設計されています。電話やメールよりも気軽にコミュニケーションを取ることが可能なので、業務効率化やコミュニケーション活性化が期待できます。またチャット機能だけでなく資料の共有機能、ビデオ通話機能などの便利な機能も備わっている点も魅力です。ビジネスチャットツールにも様々なサービスがありますが、基本的には使用目的や使用人数、使い勝手などを重視して選ぶと良いでしょう。

BIツール

BIとは、「Business Intelligence(ビジネス・インテリジェンス)」の略称で、顧客データや受発注データ、ホームページ上の行動データなどビジネスで扱うデータを集計・分析して、図やグラフ、表などの見えやすい形でアウトプットするツールです。表計算ソフトなどでもデータを集計・分析することは可能ですが、関数やピボットテーブルなどを組み合わせた複雑な作業が必要となるため時間と手間がかかります。BIツールを導入すればデータ集計や分析にかかる時間を短縮できるため、本来の業務に時間を充てられるようになり、業務の効率化に繋がる訳です。また、データを可視化することで現状把握がしやすくなるため、経営判断やマーケティングなどにも役立ちます。

MAツール

MAは、「Marketing Automation(マーケティング・オートメーション)」の略称で、新規顧客獲得や見込み顧客の育成などのマーケティング業務を支援するツールです。新規顧客を獲得するためには、自社の見込み顧客に対して継続的にアプローチを図ることが必要な上に、顧客それぞれの異なる興味・関心内容に即したコンテンツを提供する必要があります。しかし、これらの作業をすべて手動で行おうとすると、かなりの手間が生じてしまいます。MAツールを導入すれば、条件を満たした見込み顧客のピックアップやメルマガ配信の自動化などができる上に、顧客の個人情報や属性、行動履歴に合わせたコンテンツの提供もできるので、マーケティング業務の手間が減らせる訳です。

CRMツール

CRMとは、「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の略称で、顧客の名前や連絡先・住所、購買履歴・コミュニケーション履歴などの様々な顧客情報を一元管理できるツールです。顧客情報を一元管理できるので、部署内や関連部門での情報共有がリアルタイムに可能となります。関連部門との連携を強化できれば、業務効率化も期待できるでしょう。また、顧客情報を正確に蓄積することで、担当変更時の引き継ぎもスムーズになります。CRMツールはMAツールとも連携が可能な場合が多いので、CRMツールで記録した顧客情報を元にMAツールを活用すれば、より精度の高いマーケティングが期待できます。

チャットボット

チャットボットとは、「chat」と「bot」を組み合わせた造語で、チャット形式で入力した質問事項にロボットが音声やテキストを用いて返答する自動会話プログラムのことです。チャットボットのプログラムには、あらかじめ用意されたシナリオに沿って顧客の質問に回答するシナリオ型、AIが自動的に学習を重ねて答えるAI型などがあります。質問に対応するのは人間ではなくロボットなので、これまで有人で対応していた問い合わせ業務の効率化やコスト削減効果が期待できます。また、チャットボットは24時間365日、時間に関係なく顧客対応が可能です。そのため、深夜のスタッフが不在のときでも顧客の問い合わせに対応できるので、顧客満足度の向上に繋がる可能性もあります。

自社に必要なDXツールを選ぼう

DXを実現するためには、企業のビジネスモデルや業務、組織の変革へ貢献できるDXツールを積極的に導入していくことが重要です。そんなDXツールには様々なタイプがありますが、闇雲に導入しても自社のビジネスモデルや業務とマッチしないリスクがあります。まずはDXに関する課題を社内で分析し、その上で自社に必要なDXツールを選びましょう。

この記事の監修者

阿部 雅文

阿部 雅文

コンサルタント

北海道大学法学部卒業。新卒でITベンチャー企業入社し、20代で新規事業の事業部長を経験。その後さらなる事業開発の経験を積むために、戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。2021年5月にFabeeeにジョイン。DXコンサルタントとして大手メーカーや総合商社などを担当するほか、数多くのクライアントから指名を受け、各社の事業開発を支援中。多忙を極める中でも、丁寧で迅速な対応が顧客から高い評価を得ている。