投稿日 2023.07.19

最終更新日 2023.07.19

「Google Bard」と「Chatgpt」の違いは?性能や機能、料金などを比較

「Google Bard」と「Chatgpt」の違いは?性能や機能、料金などを比較

GoogleBardとは?

Googleが提供する対話型のAIサービス

GoogleBardは、Googleが開発し提供している対話型のAIサービスです。「Bard」は日本語に訳すと「吟遊詩人」といった意味となり、質問を投げかけると、まるで人間と会話しているような自然な文章で回答をしてくれます。ChatGPTなど他の対話型AIサービスと同じように、質問の回答や文章の自動生成、言語の翻訳など様々な機能を備えています。例えば、海外サイトの文章を日本語に翻訳する、簡単なコード生成を任せる、表を作成する、調べ物をするなど、仕事はもちろんプライベートでも幅広く活用することができます。

日本語にも対応している

以前は日本語に対応していなかったGoogleBardですが、2023年5月11日に日本語対応が発表されました。日本語だけではなく韓国語もサポートされ、今後さらに対応言語を増やすことが予定されています。最終的に予定されている対応言語は40言語です。様々な言語に対応することで、翻訳できる言語が増えるなど、さらに利便性が増していくでしょう。

搭載されているLLMは?

LLMというのは、「Large Language Models(大規模言語モデル)」のことです。様々なテキストデータを用いてトレーニングした自然言語処理のモデルで、GoogleBardを始め様々な対話型AIサービスに搭載されています。LLMにも様々な種類があり、何を使っているかで性能が変わります。発表段階でGoogleBardに搭載されていたLLMは、LaMDAというものです。

LaMDA(Language Model for Dialogue Applications)は、対話アプリケーション向けに提供されている大規模言語モデルで、直前の単語から素早く次の単語を予測することができるため、質問に対して柔軟な回答を返すことが可能になります。しかし、Google BardはLaMDAからPaLM2(Pathways Language Model)というLLMに切り替えています。PaLM2を搭載し、Google Bardはより高度な処理をすることが可能になりました。

Google検索と連動している

GoogleBardの特徴の1つが、Google検索と連動しているという点です。Google検索は、世界中で多くの人に使われている信頼性の高い検索エンジンです。Google検索と連動することで、リアルタイムで最新の情報を取り込むことができるため、より幅広い情報を得ることが可能になります。

調べ物をする時などに対話型のAIサービスを利用する場合、信頼性の高い情報が得られるかどうかは重要なポイントです。ただし、Google検索と連動することで信頼性が高い情報を得られるとはいえ、すべての回答が正しいとは限りません。GoogleBardに限らず、対話型のAIサービスを利用する時は、あくまで暫定的な回答であるということを理解しておきましょう。

GoogleBardとChatGPT(チャットGPT)の違いは?

GoogleBardとChatGPT(チャットGPT)の違いは?

料金の違い

GoogleBardとChatGPTは、どちらも基本無料で利用できるサービスです。しかし、ChatGPTは「ChatGPT Plus」というサブスクリプションプランが用意されています。月額20ドルの有料プランとなっており、混雑している時でもアクセスできるようになる、応答時間が短縮される、新機能が追加された時に優先的にアクセスできるといった権利を得られます。一方GoogleBardが提供しているのは無料版のみです。GoogleBardは試験運用中となっているため、今後正式にリリースされる時に変更される可能性があります。

Google Bard 無料
ChatGPT 無料
ChatGPT Plus 月額20ドル

情報の新しさ

GoogleBardとChatGPTでは、情報の新しさに違いがあります。GoogleBardは、Google検索と連動し最新の情報を取り入れています。そのため、最新の情報に関する質問をした時にも、正確な答えが返ってくる可能性が高いです。一方ChatGPTに関しては、基本的に2021年9月までの情報にしか対応していません。ChatGPTは、2021年9月までの情報で訓練されたデータセットとなっているためです。専門用語で「知識のカットオフ」と呼ばれるもので、機械学習モデル全般に共通しています。

リアルタイムで情報を更新する、インターネットから新しい情報を取得するといった機能がないため、2021年9月以降に関する情報については回答を得られません。ただし、WebChatGPTを利用して、最新情報に対応させる方法もあります。WebChatGPTはリアルタイムの情報を取り込むための拡張機能で、これを利用することで最新の情報に対応させることも可能です。

用いている言語モデルが違う

GoogleBardは「PaLM2」、ChatGPTは「GPT-3」という言語モデルが用いられています。PaLM2は、多言語や推論、コーディング機能が向上した最新の言語モデルです。100以上にわたる多言語テキストを用いて学習するため、慣用句や詩など様々な表現を理解し生成、翻訳することができます。大量のソースコードデータセットを用いて事前学習しているということで、コーディング(プログラミング)能力にも優れています。JavaScriptやPythonといったメジャーなプログラミング言語はもちろん、FortranやPrologなどの言語を使いコードを生成することも可能です。

ChatGPTで用いられているGPT-3は、2020年7月に発表されたOpenAIの言語モデルです。2019年に発表されたGPT-2の後継にあたる言語モデルで、文章の生成や翻訳、質問への回答など様々なことに活用できます。2021年3月時点でも、300以上のアプリケーションがGPT-3のAPIを利用し開発されています。学習させたパラメータ数の多さ、データ処理の速さなどがGPT-3の特徴です。

対応しているAPI

APIは「Application Programming Interfaces」の略で、GoogleBardやChatGPTを、様々なアプリケーションやプラットフォームに組み込む際に必要になります。ChatGPTは、GPT-3 APIを用いることができます。ツールが豊富で拡張性も高いため、開発者は様々なカスタムモデルを構築することができます。言語翻訳や感情分析など、様々な処理を行うためのビルド済みモデルも提供されています。

一方GoogleBardは、googlebard apiに対応しています。googlebard apiは、google cloud platformのアカウントを作成することで利用可能です。まだまだgooglebard apiを用いたサービスは少ないですが、LINEで利用可能なサービスなども徐々に増えてきています。

GoogleBardとChatGPT(チャットGPT)のどちらを使った方がいいのか?

GoogleBardとChatGPT(チャットGPT)のどちらを使った方がいいのか?

GoogleBardとChatGPTは、どちらも会話形式で色々なことができる対話型のAIサービスですが、得意としていることが変わります。そのため、一概にどちらを使った方がいいとは言えません。大切なのは、それぞれの特徴を理解して用途に合わせて使い分けることです。では、GoogleBardとChatGPTがそれぞれどのような用途に向いているのか、詳しく見ていきましょう。

GoogleBardを使った方がいいケース

新しい情報を仕入れたい時に便利なのが、GoogleBardです。GoogleBardはGoogleの検索エンジンと連動しているため、常に新しい情報が取り込まれています。「今どういうものが流行っているのか」など、最新の情報を調べたい時にはGoogleBardが向いているでしょう。創作物を生成したい時にも、GoogleBardは活躍します。GoogleBardは、そもそも創作文の生成に特化したモデルです。そのため、物語の脚本を書く、ジョークや詩を作るといった、創造性の高い文章の生成を得意としています。韻律や詩的比喩などの検出機能もあり、意味の分からない文章が生成されにくくなっています。

ChatGPTを使った方がいいケース

ChatGPTは、人間が書いたような自然なテキスト生成を得意としています。論文や書籍、Webサイトなど様々なデータを用いて学習した汎用的な言語モデルとなっているため、言語翻訳をする時などに用いるとよいでしょう。複雑な文脈や文構造も理解することが可能で、精度の高い翻訳が可能です。また、カスタマイズ性が高く、ユーザー側で細かな調整をすることができるのも魅力です。

正確性が高い情報を求めている時に、ChatGPTを使うという人も多くいます。ChatGPTはインターネット接続がなく、そのままでは最新の情報に対応していませんが、その分正確性が高い回答を得られます。2021年9月までの情報であれば、膨大なデータを取り込んでいるため、正確な回答を得られる可能性が高いです。また、自然な会話をしながら色々な情報を得たい、素早く回答をして欲しい時などにもChatGPTは向いています。

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