投稿日 2021.11.02

最終更新日 2021.11.02

マーケティングには「データ分析」が欠かせない!その重要性と最適な分析方法の見つけ方を解説


マーケティングを行う際、みなさんはどのようなポイントに重きを置いているでしょうか?長年の経験や勘などもマーケティングには必要な要素だと考えられていますが、もちろんそれだけではビジネスを成功へと導くことはできません。

今の企業にとって、マーケティングを行う上で最も大切だと言われているのが「データ分析」です。そこで今回は、マーケティングを行う上で知っておきたいデータ分析の重要性や分析方法について解説します。

現代のマーケティングにおけるデータ分析の重要性

現代のマーケティングにおけるデータ分析の重要性

IT化が加速する現代のビジネスにおいて、データの活用は欠かせないステップの一つとなりました。デジタル化が進んだ今、ビッグデータを活用したマーケティングもポピュラーなものに。しかし、ただ収集したビッグデータを見るだけでは、マーケティングに活かすことができません。

そこで大切なのが、いかにデータを分析してデータの中に隠されたヒントを見つけ出すかということ。顧客の需要を的確に捉えてアプローチしていくためには、しっかりとデータの分析を行い、得られた結果を基にマーケティングを行っていく必要があります。

また、パソコンやスマホの普及により、企業側のみならず消費者も情報しやすくなったという購買行動にまつわる変化も、データ分析の重要度を高める要因の一つ。従来のような一元的な情報提供のみではニーズをつかみきれないため、データ分析をもとにしたマーケティングを行いながら、多角的にアプローチをかけていく必要があります。

多様化した消費者の行動をひも解きながら意味のあるマーケティングを行うためには、データ分析が欠かせない世の中となっているのです。

オンライン・オフラインで取得できるデータの種類

オンライン・オフラインで取得できるデータの種類

IT技術の進歩にともない企業でもデータの活用や分析が必要となりましたが、オンラインだけでなくオフラインの世界でも収集できるデータがあります。さらにデータと言ってもその種類はさまざまなので、データ分析をマーケティングに活かすためには、そのデータに利用価値があるかどうかを見分ける力をつけておかなければいけません。

マーケティングのためのデータ分析を行う上で、そのデータが利用価値のあるデータかどうか判断するためには、オンライン・オフラインでそれぞれどのようなデータが取得できるのかを知っておくことが大切です。以下に、マーケティング領域で活用できるオンライン・オフライン別各データの特徴をまとめました。

オンラインで取得できるデータ

【自社サイト・ブランドサイト・ランディングページなどのデータ】
Google Analyticsなどのツールを使って収集できる、アクセスログやコンバージョンデータ、購買ログなどのデータ。ページの閲覧数やどのページから離脱したのかなど、自社サイト・ブランドサイト・ランディグページを訪れた人の行動が確認できる。
 
【広告接触履歴データ】
広告を出稿している場合は、各広告の媒体企業から情報広告接触履歴データが提供される。
 
【口コミやSNSなどのデータ】
投稿や口コミなど、SNSなどのツールから取得できるデータ。ツールによってデータに特徴がある。
 
【オーディエンスデータ】
位置情報や属性データ、購入履歴などを組み合わせて、個人を特定しないまま広告を見ている人を想定したデータ。オーディエンスターゲティングにも利用されているデータ。

オフラインで取得できるデータ

【顧客の属性】
顧客の年齢・性別・住所・会員登録を行った時期・累計購入金額などのデータ。
 
【POSデータ】
小売店などのレジにて読み取ったデータを集計したデータ。ポイントカードなどに登録している会員だけでなく、非会員の購買行動を読み取るきっかけにもなる。
 
【オフラインで行ったマーケティングの活動履歴】
オフラインで実施した、会員へのマーケティング・営業履歴のデータ。
オンラインでマーケティングを行った際に得られたデータは、オンラインデータとなる。
 
【各種リサーチデータ】
製品調査やブランド調査など、自社で実施したリサーチによって得られるデータ。
 

今は、オンラインデータ・オフラインデータの垣根をなくして、得られるデータを全てマーケティングに活用するのが主流。それぞれの利点を活かしながら、上手にマーケティングに取り入れることが大切です。

マーケティングでよく使われているデータ分析方法

マーケティングでよく使われているデータ分析方法

マーケティングでは、データから知りたい情報を引き出すためにさまざまなデータ分析方法を用います。マーケティングで主に活用されているデータ分析方法をいくつかピックアップして、特徴をご紹介しましょう。

クロス集計

クロス集計はクロス集計分析とも呼ばれており、年齢や性別、職業など複数の項目をクロスさせながら集計を行う分析方法です。複数の項目の相関関係や、全体的な傾向などを知りたいときに有効な分析方法だと言えます。

基本的な分析方法であるため、Excelにも標準装備。初心者でも比較的取り組みやすいデータ分析方法です。

アソシエーション分析

アソシエーション分析の「アソシエーション(Association)」は、“連合”や“関連性”という意味を持つ言葉です。アソシエーション分析を使うことで、一見関連性のない項目から新たな関係性を見つけることができたり、類似性を発見したりすることができます。

しかし、手当たり次第に項目をピックアップした分析を行うと時間の浪費につながってしまうため、事前にきちんと仮設を立てておくことが大切です。

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析は、“YES”か“NO”かの答えを使いながらその事象の発生する確率を予測するための分析方法です。二択で分析結果を導き出していくため、結論は非常にシンプル。

特定の事象の発生率を求めることができるため、天気や自然災害の発生予測、医療の分野での病気発生率の分析にも活用されています。

因子分析

因子分析は、たくさんのデータの中から共通する因子を見つけ出すために使われる分析方法です。マーケティングにおいては顧客の特徴を理解するために活用される機会が多いですが、その活用範囲はビジネスだけにとどまらずさまざまな研究においてもよく使われています。

複数のデータから共通因子を見つけることができれば、相関図を作成することができるため、より効果的なマーケティングを行うために欠かせない分析方法です。

クラスター分析

クラスター分析は、異なる性質のものがいろいろ混ざり合ったデータから似ている特徴のあるグループ分けを行うことができる分析方法です。共通性があるもの同士のグループを「クラスター」と呼ぶことから、クラスター分析と名づけられています。

クラスター分析を行うことで膨大の量のデータから特徴や傾向を見出すことができるため、顧客の需要が反映しやすくなるのはもちろん、隠れたニーズやマーケットを見出すことも可能となります。

ABC分析

ABC分析は、重要度によってA・B・Cとランク付けを行う分析方法です。売れ筋商品と死筋商品の見極めに活用できる分析方法であることから、在庫管理や販促のためにマーケティングのためによく使われています。

重要度に合わせて適切な人員配置を行うことで、人的コストの削減にもつなげられる分析方法です。

決定木分析

決定木分析は、仮設を基に分析を進めていく分析方法です。「もし、〇〇だったら△△という結果になるのでは?」という仮説を立て、その仮説をもとにクロス集計を繰り返し行います。今ある一つの結果からさまざまな仮説を立て、枝分かれさせながら分析を進めていくため、「決定木」という言葉が付けられました。

クロス集計に比べてよりさまざまな要因を探ることができるため、目的に対する要因を深掘りしたいときに活用できる分析方法です。

バスケット分析

バスケット分析は、アソシエーション分析から派生した分析方法。そのため、分析の構造も分析の目的もアソシエーション分析と同じですが、バスケット分析は対象が「顧客が購入した商品(バスケット=カゴに入った商品)」に限られるという特徴があります。

バスケット分析は、顧客の需要に合うレコメンドを提供したい場合に有効な分析方法。通販サイトなどで「この商品を購入したお客様はこの商品も購入しています」という欄に出てくる商品は、このバスケット分析を用いた結果を基に表示されています。

最適な分析方法の見つけ方

最適な分析方法の見つけ方

マーケティングにはさまざまなデータ分析方法を活用することができますが、「今自社にはどの分析方法が必要なのか」がわからなければ、適切なデータ分析を行うことができません。そこでまずは、必要な分析方法の見つけるためのポイントを頭に入れておきましょう。

どういう課題を解決したいのかを明確にする

マーケティングに活かせるデータ分析方法には、それぞれ得意・不得意があります。見込み客の発見に活かせる分析方法もあれば購買行動の予測に役立つ分析方法もあり、課題が明確になっていないと最適な分析方法を選択することができません。

何のためにデータ分析を行うのか、何のためにマーケティングを行うのかの「何のために」の部分を明確にすることが、最初に着手しなければいけないポイントです。

データ分析方法を理解しておく

先ほどもお伝えしたとおり、データ分析方法によって得意とする分野が異なります。そのため、最適な分析方法を選択するためには、それぞれの分析方法の特徴を理解しておくことが大切です。

分析となるクロス集計はどんな課題に対しても有効な分析方法ですが、それだけではよりよいマーケティングを行うための材料を揃えることは難しいと言えます。クロス集計以外の分析方法を用いる際には、あらかじめExcelなどでグラフを作成しておかなければいけないケースもあるため、そもそものデータ分析方法を理解しておくことは非常に重要なこと。課題を明確にするだけでなく、それぞれの分析方法の特徴について把握しておくことで、最適な分析方法の選択につなげることができます。

まとめ

マーケティングを行う上でのデータ分析の重要性は、非常に高いものであると言えます。さらに、活用するデータもオンラインだけでなくオフラインで取得できるデータもミックスして分析するなど、広い視野を持ってデータを集めて分析することが重要です。

マーケティングをより有効なものにするためにも、データ分析の重要性をきちんと理解しておきましょう。

この記事の監修者

冨塚 辰

冨塚 辰

プロジェクトマネージャー