投稿日 2022.11.21

最終更新日 2022.11.21

メタバースマーケティングを企業の活用事例から分かりやすく解説

メタバースマーケティングを企業の活用事例から分かりやすく解説

メタバースを活用したマーケティングとは?

インターネット上にバーチャル空間を構築し、利用者同士でゲームやコミュニケーションなどを楽しむ「メタバース」。VRゴーグルの普及やコロナ禍により家で過ごす時間が増えてきたため、メタバースの利用者が年々増えています。また「フェイスブック社」が「メタ社」と改名し、メタバースの開発に本腰を入れてきたこともあり、数多くの企業がメタバースを活用したマーケティングに本格的に参戦しています。メタバースに広告を出店してブランド認知度を上げたり、バーチャル店舗を出店して自社のECサイトに誘導したりするなど、従来のマーケティングに近い活用方法も可能です。一方ゲーム内で使える特別なアイテム・アバターを販売したり、多くの利用者が参加できる非現実的なイベントを開催したりと、メタバースならではのマーケティングもあります。

メタバースのメリットや効果

メタバースのメリットや効果

空間・場所・人数の制約がない

メタバースはバーチャル空間ですから、物理的な制約に捕らわれることがありません。したがって、広大なバーチャル空間に多くの商品を並べたり、イベント開催にあたり多くの参加者を募ることも可能です。現実世界であれば会場費などが発生しますが、メタバースならコストもかかりません。さらに利用者は国内のみならず、国境を越えて参加が可能なため、よりワールドワイドに自社の商品・ブランドを訴えかけることができます。

非日常的な体験ができる

メタバースにおいて、現実世界では不可能な体験ができます。自分が好きなブランドの服を大量にアバターに試着させたり、CGで作られたまだ販売されていない新車を眺めたり試乗できたりします。実際の観光地を模した世界を、次から次へと見て回ることも可能です。従来のデジタル世界では画像という2Dで表示されていたものが、メタバースでは3Dで表現されるため迫力が違います。さらにVRゴーグルを使えば、より没入感のあるエンターテインメントが体験できます。

コミュニケーションがとりやすい

メタバースではコミュニケーションが活性化しやすいのも特徴です。通常のコミュニケーションツールではグループを作らなければ会話ができず、気軽に雑談がしにくい状況です。しかしながらメタバースにおいては、アバターに近づくだけで会話が始まります。アバター同士だと気楽に会話がしやすく、忌憚のない意見が寄せられるのも特徴です。

若い世代にアプローチしやすい

メタバースの利用者の多くは、デジタル世界に馴染みのある「Z世代」を中心とする若い世代です。商品を若者向けに作っている企業は勿論、これから若い世代に向けて顧客を獲得しようとする企業にとってまたとないチャンスです。

SDGsに貢献できる

近年企業がSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む姿勢を見せることが重要になっています。メタバースは実際にものを作ったりするわけではないので環境に負荷がかかりません。またハンディキャップなどを抱え、現実世界で上手く活動できない人でも、メタバースの世界では誰でも平等に活躍できます。メタバースの世界はSDGsの目標に合致しています。したがってメタバースをマーケティングに活用することは、SDGsに取り組む姿勢をアピールするまたとない機会です。

メタバースマーケティングの活用方法

メタバースマーケティングの活用方法

イベントの出展・開催

空間・場所・人数の制約がないため、企業の規模に関わらず世界中の人々を対象にした大々的なイベントが開催可能です。メタバース上で新商品の説明会を行ったり、ライブを開催したり、実際にある都市を模したバーチャル空間でハロウィンやクリスマスイベントを行ったりと、可能性は無限にあふれています。

バーチャルショップへの出展

メタバースでバーチャルショップを出店し、メタバース上で使えるアイテムやアバターの販売や、現実世界で使える商品を販売することができます。バーチャルショップなので実際の店舗よりもコストが抑えられます。3D技術を使って実店舗の建造物をそのままメタバース上で再現することも可能です。メタバースのプラットフォームを替えて出店する時も、店舗のデータの流用ができます。また販売するアバターやアイテムを現実世界の商品に似せることで、アイテムを見つけたユーザーがメタバース上で活動するだけで自社の宣伝になります。

広告の出稿

現実世界のように、メタバースの決められた場所にデジタル広告を出稿することが可能です。あるいはインフルエンサーに依頼して、メタバース上で商品を宣伝してもらうという手法も確立しています。ただしメタバースのプラットフォームによっては、企業の広告を制限している場合もあるため注意してください。

メタバースマーケティングの事例

メタバースマーケティングの事例

就活フェス「METANAVI」

「METANAVI」とは、メタバースに出展企業のブースを設置し、各企業のプレゼンと自社ブースで人事担当者との就職希望者が話せる就活イベントです。就活希望者はアバターでの参加のため、人事担当者とコミュニケーションがしやすく、企業との親近感が湧きやすいと評判でした。遠隔地に住んでいても、メタバースであれば就活イベントに参加しやすいというのも好評の理由です。

「ビームス」のバーチャル店舗

「ビームス」ではメタバース上でバーチャル店舗を展開しています。「ビームス」の実際のアパレル商品をアバターとして販売しています。アバターで試着してもらうことで、実際のアパレル商品の購買につなげ、バーチャルと現実世界の垣根を取り払うことに成功しました。またメタバース上には社員がVRゴーグルを付けてバーチャル接客をしています。

「バーチャル沖縄」

「バーチャル沖縄」とは、沖縄県を再現したメタバースのことです。沖縄県の国際通りや首里城周辺を忠実に再現し、疑似観光旅行が可能です。他にも釣り体験や三線ライブなどの伝統芸能イベントも充実。さらに沖縄県の名産品を扱ったバーチャル店舗も出店しています。「バーチャル沖縄」を通じて沖縄県の雰囲気を感じてもらうことで、現実世界の沖縄県への観光客増加を試みています。

「NISSAN SAKURA Driving Island」

「NISSAN SAKURA Driving Island」とは、「日産自動車」の新型軽電気自動車「日産サクラ」の試乗が可能なメタバースです。メタバース上で「日産サクラ」を、運転免許を必要とせず、誰でも試乗することができます。また遠隔地に住んでいる友人とアバターを通じて一緒にドライブすることも可能です。「日産サクラ」は実際の車両データから作られているため、より没入感のあるドライブ体験を実現しています。

「サンリオバーチャルフェス」

「サンリオバーチャルフェス」とは、「サンリオ」が2021年に開催したリアルアーティストやVチューバ―を集めた音楽フェスティバルです。メタバース上に現実世界と同じ「サンリオピューロランド」を再現。地上1階・地下5階に分かれ、それぞれライブやカフェ、物販コーナーが設置され、現実世界のフェスと変わらない世界観を作り上げました。ライブの観客にはオリジナルのアバターが用意され、ライブ中に数々のエモート(感情表現)が用意され、ファンとアーティストが一体感を味わえるようになっていました。また一部アーティストのライブは有料化するなど、収益化にも成功しています。

ぜひメタバースを活用してください。

以上のように、多くの企業がメタバースを活用した様々なマーケティングを模索しています。今後もVRゴーグルの普及が予想され、ますますメタバースは世間に浸透していくことでしょう。すでに大企業はメタバースを活用したマーケティングを積極的に行っています。上述した事例を参考にしながら、上手にメタバースを活用してください。

この記事の監修者