なぜメタバースが注目されているのか
近年世界中で大きな注目を集めている「メタバース」。メタバースは仮想空間のことで、バーチャルでありながら現実世界のような活動もできるリアルさが特徴的です。ユーザーはアバターと呼ばれるキャラクターを駆使しながら仮想空間で行動し、ユーザー同士で交流を行ったり、現実世界と同じような経済活動やエンターテインメントを体験したりします。
メタバースが注目されている背景には、2020年からの世界的な新型コロナウイルス流行が大きく影響しています。新型コロナの流行によって、外出や直接的な接触を控えなければならない状態が発生し、これを補うためデジタルを利用したコミュニケーションが急速に活発化しました。そのような状況の中、ニーズが高まったのがメタバースです。メタバースはアバターを通し、仮想空間で現実世界のような活動を行えます。例えばコロナ禍で頻繁に利用されるようになったオンライン会議システムなどは、画面と画面で交流するため、どうしてもリアルな接触とはかなり異なるコミュニケーションスタイルになってしまいます。その点、メタバースはアバター同士でリアルに近いコミュニケーションが取れます。メタバースは現実世界で困難になってしまったコミュニケーションの代替のような存在として受け入れられたと言えるでしょう。
また、NFT(非代替性トークン)や仮想通貨が発達してきたこともメタバースの注目に関係しています。メタバースではデジタルデータの取引なども行われますが、NFTを活用することにより安全性を高められるのです。今やメタバース上ではさまざまな経済活動が行われています。このような背景などがあり、メタバースは一気に注目を集め、世界中の大手企業も多数参入を開始。今後も大きな進化が見込まれています。
日本国内のメタバースプラットフォーム5選
それではここからはメタバースのプラットフォームをピックアップで紹介していきます。まずは日本国内のメタバースプラットフォームです。
Cluster
日本で今最も人気の集めるプラットフォームの1つであるCluster。無料で使えるメタバースアプリです。2022年7月には100万ダウンロードを達成しました。スマートフォン・PC・VR機器などさまざまな媒体に対応しているため、誰でもカジュアルにメタバースを体験できます。ユーザー同士で交流するほか、ワールドの作成やイベントへの参加など、さまざまな活動が可能です。操作もわかりやすいので、メタバースを利用したことがないビギナーでもとっつきやすいでしょう。
My Crypto Heroes
My Crypto Heroesは「マイクリ」の通称で親しまれている日本生まれのオンラインゲームです。ユーザーはゲームの世界で歴史上の人物をモチーフにしたキャラクターを集めて、ユーザー同士で戦わせます。なお、ゲームをしながら稼げる点も特徴的です。例えばモンスターを倒すクエストをクリアして得られる報酬、ユーザー同士でバトルするデュエルで得られる報酬、マーケットで武器・アイテムを売買して得られる報酬、このようなものが稼ぎにつながります。ゲーム内で稼いだ通貨は実際のお金として受け取ることが可能です。
REALITY
REALITYは海外での人気も高まっている日本生まれのメタバースプラットフォーム。SNSの運営で注目を浴び大手企業に成長したグリー株式会社が運営しています。当初はライブ配信のプラットフォームとしてスタートしたものですが、2021年からメタバース事業に注力し、今や全体の約8割が海外ユーザーというグローバルなメタバースプラットフォームとなっています。コミュニケーションがメインのつくりになっており、ワールドの作成やバーチャルイベントの開催が盛んです。
あつまれ どうぶつの森
あつまれ どうぶつの森コアなゲームファンだけでなく、普段あまりゲームのプレイしないようなライトファンまで、幅広い層から絶大な人気を得ているオンラインゲームです。ゲーム空間の中で動物キャラクターになりきり、ほかの動物たちと交流をしながら思い思いの生活を送るという内容。このゲームの中においてビジネスを起ち上げたり、現実世界の宣伝・広告活動をゲーム内で行ったり、現実とつながる部分も多くなり、メタバースプラットフォームの性質も有するようになりました。
ポケモンGO
日本生まれの大人気ゲーム
海外のメタバースプラットフォーム5選
次に、海外のメタバースプラットフォームで特に人気の高いものを紹介します。世界中のユーザーが利用することもあり、非常に規模が大きいことが特徴です。
VRChat
VRChatはアメリカの企業「VRChat Inc.」が運営するプラットフォーム。多人数での交流ができる点が大きな特徴です。文字でのチャットは不可で、交流は全てボイスチャットになります。日本語対応はしておらず、アプリ内の表示などは全て英語なので、利用する際はある程度英語力が必要でしょう。アイテムの売買などバーチャルな取引が活発に行われており、マーケットイベントなども盛況を博しています。
ROBLOX
ユーザーが自作ゲームを公開できるというメタバースプラットフォームです。ROBLOXが提供する開発ツールでゲームを作成し、完成したものをほかのユーザーにプレイしてもらえます。ゲームがワールドやコミュニケーションのようなツールとして存在する点が非常にユニーク。海外での人気が非常に高く、大手スポーツブランド「NIKE」がROBLOX内にワールドを作成したことも大きな話題を呼びました。
Zepeto
Zepetoは韓国企業「NEVER Z」が運営するメタバースプラットフォーム。こちらの運営企業は写真加工アプリ「SNOW」を開発し人気を博しましたが、Zepetoにも写真にまつわるサービスが備わっています。自分そっくりのアバターを作成し、ユーザー同士で写真を撮影するなどの楽しみ方が可能です。メタバース内でアイテムを購入し、自分のアバターの外見をさまざまに変化させることもできます。ユーザーは若い女性が中心。また、海外のユーザーが非常に多いことも特徴的です。
Horizon Worlds
Horizon Worldsは元Facebook社である「Meta」が運営するプラットフォームです。日本ではまだ公開されていませんが、海外では大きな人気を集めています。現在はトライアルの段階で、当初の公開はアメリカ・カナダのみ、2022年8月には、フランスとスペインでも提供がスタートしました。VR用のヘッドセットを着用しバーチャル空間を体験するものです。現段階で非常に多くのワールドが作成されていることからも、ユーザーの注目度の高さが覗えます。
Fortnite
Fortniteは元々は2017年に公開され始めたオンラインゲームです。バーチャルな世界の中でキャラクターを操り、ほかのユーザーと交流しながらゲームを進めていきます。ワールドの作成が可能になったりイベントが開催されたり、メタバースとしての性格が強くなってきたことから、遊べるプラットフォームとして大きな人気を集めています。
【まとめ】今後も進化を続けるメタバースプラットフォームに注目しよう
メタバースは世界中の人々のライフスタイルが大きな変化を遂げる中で、人々のニーズにマッチしたサービスであると言えます。メタバースのプラットフォームは日本国内にも海外にも多く存在しますが、それぞれ非常に個性的なので、各プラットフォームを体験してみるのも良いでしょう。大手企業の参入や新しいサービスのリリースなどさらにさまざまな進化を続けるメタバースから今後も目が離せません。