投稿日 2022.10.18

最終更新日 2022.10.18

メタバースのセキュリティーに関して分かりやすく解説

メタバースのセキュリティーに関して分かりやすく解説

メタバースのセキュリティーとはどうゆうものか?

アバターで社会生活を送ることができるメタバース。コンピューターの性能が向上したことなどから、この需要は、年々拡大してきています。矢野経済研究所が調査した研究によると、2021年度の国内メタバース市場規模は、744億円となっています。

メタバースのセキュリティーとは、メタバースにおける情報の機密性、完全性、可用性を確保することです。機密性とは、許可された人だけが情報にアクセスできるようにすることです。アカウントの登録情報などが対象と言えます。また、可用性は、必要な時に使える状態を維持することです。情報のアクセスを認められている人がきちんと接続できているかどうかは、特に重要です。そして、近年は、サーバに侵入して、情報だけを変えるケースも多くなっています。完全性は、そのような不正な改ざんなどから保護することを指します。

なぜ対策が必要か、また想定できる脅威

なぜ対策が必要か、また想定できる脅威
メタバースを適切に運用するには、きちんとしたセキュリティー対策が欠かせません。なぜなら、個人情報流出といった多くの問題が起こるからです。そして、それらを漏洩させた企業は、社会的信用が大きく低下してしまう恐れがあります。株価下落や営業機会の損失で、会社が倒産してしまうかもしれません。ここでは、メタバースのセキュリティーが破られたとき、どのようなことが起こるのかをまとめました。

アカウントを乗っ取られる

メタバースを始めるとき、プラットフォームのアカウントを作る必要があります。そのIDとパスワードが外部に漏れた際、起こる問題があります。まず、アバターが乗っ取られてしまうことです。ショッピングの決済などといったさまざまなサービスが提供されているメタバース。アカウントが乗っ取られた場合、商品を不正に購入されるなどのリスクがあります。

人権侵害

次に他人の名前を勝手に利用する、なりすましです。メタバースでは、他人のアバターでさまざまなイベントに参加することも可能です。また、オンラインコミュニケーションの場所としても利用されています。したがって、なりすましによる被害は大きいと言えるでしょう。ログインしていない間に、アバターのなりすましによって悪質な操作をされるということもないとは限りません。知らないところで信頼を失うことは、できるだけ避けたいでしょう。

多額の損失

多額の損失にも注意が必要です。例えば、企業が1人1回限りの割引キャンペーンをメタバース上にて行う時の話です。悪意のある人が大量のアバターでこの割引を利用したとします。すると、企業はさまざまな人にこれを提供できなくなってしまいます。割引キャンペーンは集客施策として使われることが多いです。したがって、企業は大きな損害を受けたことになるでしょう。

著作物が無断で利用される

企業で作成した著作物が、無断で使用されるといったことも起こります。メタバースでは、特にデジタルアートが人気です。ブロックチェーンを使用しているため、改ざんや複製を防止できることが特徴です。しかし、これは、悪用されてしまう可能性もあります。それは、サイバー攻撃によって秘密鍵を盗まれてしまった場合です。必ずしも、ブロックチェーンは安全とは言えません。取り扱う際は、十分注意しておくことをおすすめします。

企業の機密情報漏洩

最後は、企業の機密情報が漏洩してしまうことです。メタバースでは、今後詐欺が多発すると懸念されています。特にメタバース事業者を名乗るフィッシング詐欺です。この詐欺は、メールを送りつけてきたり、偽ホームページに誘導したりします。そして、パスワードが記載されたリストを要求されることもあります。このリストが犯罪者の手に渡ってしまった場合、心配なのが情報漏洩です。くれぐれも取り扱いには、注意しておきましょう。

メタバースセキュリティーの対策のポイント

メタバースのセキュリティーが突破される原因は、主に3つに分けられます。

人の行動

なりすましやクラッキングは、人の行動などが起因となり引き起こされるものです。例えば、メタバースを利用するためのパソコンやVRゴーグルを紛失してしまった際に起こります。これは、アカウントへの不正ログインなどにつながる行為です。

技術的に作成されたもの

セキュリティーは技術的に作成されたものにより突破されることがあります。その1つとして考えられるのが、DDoS攻撃です。これは、Webサイトやサーバに大量のデータを送りつけることです。これにより、最悪の場合サーバがダウンしてしまうこともあります。なお、近年、複数の企業サイトがDDoS攻撃による被害を受けました。メタバースも、インターネットを利用しています。したがって、DDoS攻撃の被害を受ける可能性は、大いにあります。

メタバースセキュリティーの対策のポイントは、この2つの原因をできるだけ取り除くことです。その際、リスクアセスメントは効果的と言えます。まず、調査を行うのでリスクが明確です。加えて、リスクに対する認識を従業員のなかで共有できます。よって、対策について合理的に優先順位を決められます。また、情報セキュリティー対策の有効な手段としても証明済みです。したがって、メタバースのセキュリティーにおいても大いに役立つでしょう。

メタバースセキュリティーの対策方法

メタバースセキュリティーの対策方法
メタバースで空間を提供しようと考えている企業の方も、多いのではないでしょうか。実際、この場所に出店を始めた百貨店や衣料品店などもあるため、注目されています。ここでは、メタバースセキュリティーについて、具体的な対策方法を詳しく解説していきます。

多要素認証を設定する

アカウントの乗っ取りを防止できる多要素認証。多要素認証では、通常のパスワードと他の要素を組み合わせて本人認証を行います。これを活用することで、セキュリティーを高めることができます。一方で、サービスや環境によっては、この認証は使うことができません。その際は、ログインIDやパスワードをできるだけ強固なものにしておきましょう。安全なパスワードを設定する方法の1つが、長めのものを設定しておくことです。理由は、文字が多いと解読するときに、時間がかかるからです。英大文字小文字や数字、記号を利用することや10桁以上が目安となります。さらに、ほかのサービスで使用しているパスワードも使わないようにしましょう。

身元確認をきちんと行う

メタバースのワールドを構築する際、アバターの本人認証を利用することをおすすめします。なぜなら、複数アカウントによる利用を防ぐことが可能だからです。また、アバターの本人認証だけでなく、アバターに対してNFTや電子透かしも付けられるものが開発されています。ゆえに利用者のプライバシーや著作権も守られます。

IPアドレス制御機能を利用する

IPアドレス制限は、外部からの不正ログインを防ぐことが可能です。なりすましをしようとするのは、オフィスの外からログインを試みるケースがほとんどです。接続元のIPアドレスを制限する機能があるメタバースオフィスもあるため、検討してみてください。なお、サービスによっては、この機能を使うことが難しい場合もあります。注意しておきましょう。

【まとめ】メタバースのセキュリティー対策は入念に

メタバースについて、取り組むべきことや検討すべき課題は多いです。法整備も発展途上のため、さまざまなリスクが生じることを知っておく必要があります。一方で、メタバースがもたらす経済効果は、かなり大きいです。したがって、こちらでイベントを主催してみたい企業の方もいるでしょう。そのようなときは、上記の対策方法をきちんと理解してから行動するとよいです。

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