投稿日 2022.11.22

最終更新日 2022.11.22

メタバースで店舗を出店する方法を分かりやすく解説

メタバースで店舗を出店する方法を分かりやすく解説

メタバースで店舗を出店するとは?

話題になっているメタバースとは何か

ニュース等で話題になっているメタバースですが、一言で表すと、インターネット上にある仮想空間を意味します。仮想空間上では、インターネットに接続している人の分身とされる、アバターが主役となります。性別や髪型等に加え、洋服やアクセサリーといった様々な項目を自由に設定できる点が、アバターの大きな特徴です。自分以外のアバターとコミュニケーションを取れる他、実際に買い物ができる等、現実の世界に近い行動ができます。

メタバースでは仮想店舗も出店できる

インターネット上の仮想空間であるメタバース上においては、実際に店舗を出店し、アバターに商品を購入してもらう行為が可能です。特定の地域にある実店舗に行かなくても、場所に関係なくショッピングができる点は、インターネットショッピングと共通しています。インターネットショッピングとの大きな違いは、アバターが店員として活動している点であり、実店舗に近いコミュニケーションが取れる点です。また、陳列する商品を立体的に表示できるといった点も、インターネットショッピングとは異なっており、実店舗に近い感覚で買い物ができるようになります。

メタバースで店舗を出店するメリット

メタバースで店舗を出店するメリット

話題性による新規顧客の獲得が可能

すでに実店舗やECサイト等で出店をしている実績の高い企業が、メタバース上に店舗を出した場合、SNS等で話題になりやすくなります。とりわけ、10代といった若い年代からスマートフォン等を使いこなす、「Z世代」の注目度が自ずと高くなる点は、大きなメリットの一つです。企業が取り扱う商品によっては、メタバースに高い関心を持つZ世代が、主な購買層になる可能性が出てきます。従来の実店舗やインターネットショッピングを利用する人以外にも販路を拡大できる上に、新規顧客の獲得へと結びつきやすい手段の一つです。

ブランドイメージの実現が実店舗と同じような形で可能

実店舗におけるメリットの一つとして、企業独自のブランドイメージや世界観を構築し、再現できる点が該当します。具体的には、目玉商品の陳列やウィンドウショッピング等の行動ですが、メタバース上でも実店舗に近い内容が可能です。衝動買いやついで買いといった、実店舗と同様の、高い購買モチベーションを引き起こせるようになります。また、企業が伝えた情報を、実際に商品を購入したユーザーが、代行して外に働きかける副次的なメリットも生まれます。

ECサイトよりもCVRの数値が高くなる

ECサイトで商品を販売する企業にとって重要となる項目が、実際に商品を購入する割合を数値化した「CVR」です。インターネットショッピングの場合は、1から3%がCVRの目標値となっていますが、メタバース上の仮想店舗では、更に高い5%台を実現しています。店舗を訪問したユーザーの20人に1人が、商品を購入するためのアクションを起こすという計算ですが、実店舗に近い演出ができる点が大きいです。ECサイトによるインターネットショッピングと比較して、商品の魅力や期待感を伝えやすい手段と言えます。

初期構築費用や固定費は実店舗より節約可

東京都等、特定の地域に店舗を出店する場合は、敷金や礼金、外装費といった、建物に関するランニングコストがかかってしまいます。さらに、家賃や水道光熱費が毎月発生するので、月の売上によっては赤字になる可能性も出てくるのです。しかし、メタバース上の仮想店舗であれば、ソフトウェア開発費用と毎月発生するサーバーの維持費用がベースとなるため、実店舗よりも費用を大幅に節約できます。ただし、空間設計費用といった追加費用が発生するため、ECサイト構築よりは初期費用は高くなります。しかし、新規顧客の獲得等による費用対効果を考慮した場合は、最終的にはECサイトよりも安く済みます。

店舗の出店方法

店舗の出店方法

専用サービスの「cluster」を利用する

企業等がメタバース上に仮想店舗を出店する場合、IT企業が提供する専門のサービスを利用する方法が、最も効率的です。初めてメタバース上で仮想店舗を出店したい企業なら、「cluster」に依頼するのが最適な選択肢となります。アバターや会場の制作に加え、演出等もサポートしています。仮想店舗を出店した後も、イベント面でのサポートが期待できる他、自社オリジナルのメタバース作成にも対応しています。

豊富なデザインとアバターの活用に優れた「HIKKY」

自分の住む都市を実際にメタバース化する、パラリアルワールドプロジェクトで有名な「HIKKY」に出店を依頼するのも一つの方法です。デジタル商品を取引するバーチャルマーケットが代表的なイベントですが、実店舗に近いデザインから、物理法則を無視したメタバースならではのデザインまで選べます。店舗スタッフとして活動するアバターの活用法にも優れており、VRヘッドセットやコントローラーで自由自在にアバターを使いこなせる技術が利用できる点も、大きな特徴です。

メタバース上での仮想店舗運営機能が充実する「Urth」

法人企業がメタバース上の仮想店舗で運営する場合、豊富な機能が備わっている「Urth」に依頼するという選択肢もあります。コミュニティ向けプラットフォームのハッピーワークプログラムで有名な企業として知られ、アバターを活用した対面販売のノウハウが充実している点が特徴です。さらに、VRから得た音声や行動データを分析した上で、効率よい企業運営へと導くための手助けもします。

メタバースの店舗出店事例

アパレル企業の「BEAMS」

メタバース上での仮想店舗を活用した事例の一つとしては、原宿でアパレルショップを展開する「BEAMS」が該当します。株式会社HIKKYと提携して、メタバース上で仮想店舗を運営していますが、過去に4回、HIKKY主催のバーチャルマーケットに参加している企業の一社です。店舗スタッフが実際にスタッフアバターを操作しながら接客する一方で、店舗外のイベントに参加するといった点も、注目の的となりました。バーチャルマーケット内でのデジタル商品の売上が想定以上となる等、会社の売上に貢献している点も、大きな特徴です。

「大丸松坂屋」は食品分野でアピール

日本を代表する百貨店も、積極的にメタバース上での仮想店舗を活用していますが、「大丸松坂屋」もその一社です。実店舗と同じように、3Dモデルの商品を確認できるだけでなく、バーチャルカタログでの詳細確認ができます。ローストビーフやオードブルといった、年末年始向けの食品が中心のラインナップですが、展示された商品は、全て実際に購入、注文が可能です。食品販売以外の主なイベントに、メタバース上での宴会がありますが、大丸松坂屋の店員がアバターに扮し、参加した100人以上のアバターに対して、実際に接客等をしました。

仮想店舗だけの商品も取り扱う「Charlotte Tilbury」

メイクアップアーティストの一人、シャーロット・ティルブリーが手掛ける「Charlotte Tilbury」は、仮想店舗での販売を重視するコスメブランドとして注目されています。ビデオチャットによる販売だけでなく、メタバース上のゲームをクリアした後に、実店舗では取り扱いがないアイテムも購入できる点が、人気の秘訣です。

初期投資額を抑えた上で実店舗並みのお店が持てる

アバターといったキャラクターが活躍するメタバース上では、多くの企業が実際に店舗を構えながら、商品を販売しています。実店舗と同様、商品が陳列でき、ウィンドウショッピングにも対応している点が、大きな特徴です。実店舗よりも初期投資額や運営経費を抑えられる上に、社員や店員が実際にアバターとして接客できるといった、コミュニケーションの手段としても活用できます。

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