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中小企業でもセールスフォース活用できるのか
中小企業を取り巻く顧客管理の状況
セールスフォースは米国に本社を置くセールス・フォース社が運営する顧客管理システム(CRM)です。CRMは事業者が持つ顧客データを様々な業務と紐付けて、仕事の効率化やデータ運用力を向上させることが出来ます。日本では少子高齢化の影響から生産年齢人口の減少が問題視されてきました。限られた人員で仕事を回すための業務効率化は、企業にとって喫緊の課題となっているのです。商工中金による2021年発表の「中小企業のIT導入・活用状況に関する調査」によれば、CRMなどのITツールによって顧客情報を電子化した中小企業は約51%という結果が出ています。既に多くの中小企業がCRMの導入によって、社内の業務効率化に乗り出している事実が浮き彫りとなりました。
セールスフォースの特徴
CRMにも様々な製品がありますが、セールスフォースはその中でも高い人気を誇っています。国内外を問わず多くの企業が導入しているため実績も申し分ありません。セールスフォースは基本的な顧客管理機能をパッケージングしたエッセンシャルバージョンをコアとしています。営業・マーケティング・カスタマーサポートといった拡張機能を必要に応じてカスタマイズ可能なので、自社のニーズにマッチしたCRMを手に入れられるでしょう。
また、セールスフォースの大きな特徴としてはAI機能が挙げられます。セールスフォースの利用者は同社が提供するAIサービス「Einstein」と連携させることが可能です。Einsteinでは例えば過去の商談歴や顧客情報から将来の販売予測および商談の成約確率を算出する、ビッグデータを基にして事業における次のアクションを提案するといった機能が備わっています。複雑なコーディングを必要としないため、誰でも簡単に活用出来る点も大きな特徴です。
中小企業のCRM選び
中小企業がCRMの導入を検討する際は、一般的に「自社とのマッチング」「コスト」「使いやすさ」「サポート体制」という4つのポイントを吟味することが重要であるとされています。セールスフォースは拡張性とカスタマイズ性に長けているため、システムを様々なニーズに合わせて組み上げることが可能です。初期費用は不要で月額費用は1ユーザーあたり税込4620円、年間契約であれば1ユーザー1ヶ月あたり税込3300円と比較的リーズナブルな価格となっています。
さらにセールスフォースには無料トライアル期間が設けられているため、導入前に使い心地を確認することも出来ます。業種別のソリューションを展開している他、中小企業特化型の「DXお悩み解決パック」も展開しているため機能の過不足で不便さを感じることもないでしょう。カスタマーサクセスと呼ばれるサポート専門部署では、ユーザー企業の事業をともに成長させる能動的な支援が展開されています。これらの点を踏まえれば、セールスフォースは中小企業での活用にも適したCRMであると言えるでしょう。
中小企業におけるセールスフォースの導入効果
中小企業が抱える様々な課題は、セールスフォースを活用することが解決の糸口になるケースが多いです。例えば、セールスフォースで顧客情報のデジタル化および管理の一元化を実現することによって、営業活動の効率化と生産性向上が見込めます。営業活動に質が上がっていくと、結果的に契約数や販売数の上昇も期待出来るようになるでしょう。社内での情報共有も容易になるため、経営層の意思決定がスムーズになります。
また、セールスフォースはセキュリティ対策にも注力していることで知られているCRMです。顧客情報の電子化には不正アクセスや情報漏洩といったリスクがありますが、セールスフォースであれば安心して利用することが出来ます。紙媒体で顧客情報を管理していると破損や紛失の可能性がありますが、セールスフォースならその心配もありません。自社の信用に関る顧客情報の管理体制についても、セールスフォースの活用が効果的なのです。
中小企業のセールスフォース活用事例
株式会社高田屋
秋田県に拠点を構えてエネルギー事業を展開している株式会社高田屋では、セールスフォースの活用によって業務効率化に成功しています。同社では順調に事業が成長する一方で、業務の属人化による効率低下に悩まされていました。そこで同社は既存の社内システムをセールスフォースと連携させることによって、情報共有の質を向上させたのです。結果として顧客からの問い合わせ漏れは0件となり、完全週休2日制に切り替えるなど顧客満足度の向上と就労環境の改善に大きな成果を挙げました。
株式会社みどり財産コンサルタンツ
個人投資家および中小企業を中心に税財務コンサルティングサービスを提供している株式会社みどり財産コンサルタンツは、セールスフォースを活用して4年間2770時間もの工数削減を実現しました。財務に関る知識やノウハウを商品とするコンサルティング業にとって、顧客はビジネス上の資産そのものとなります。同社では簡易的なCRMこそ導入していたものの、情報が上手く活用されず顧客対応が後手に回ることもしばしばでした。セールスフォースで顧客情報や提案内容の一元的管理が実現すると、本社・支店間の従業員でも情報共有がスムーズになり引継ぎの手間が大幅に削減されたのです。また、紙ベースだった経理もセールスフォース導入を機にデジタル化され、連携機能によって業務が効率化されました。この取り組みによって、同社は2021年12月期決算で前年比130%の業績を残しています。
ニッカル商工株式会社
セールスフォースによって営業クオリティの向上を実現したのが、BtoBのアルミ材料販売を手がけるニッカル商工株式会社です。同社では紙やエクセルによる情報管理が主流でしたが、ベテラン社員の退職による営業ノウハウの消失が懸念されていました。課題解決のためにセールスフォースが導入され、まず取引先を自社との関連度合いによってカテゴライズしたのです。グループごとに営業プロセスを管理することで、勤続年数を問わずすべての従業員でノウハウを共有しました。商談の進み具合や顧客の購買力といった情報も細かく共有されたため、今後の見通しが立ちやすくなり的確な経営判断にも繋がっています。デジタル化によるノウハウ共有の土壌が固まったことで、従来3年を要していた新人研修期間が1年程度に短縮されました。
元湯陣屋
昔ながらの伝統が息づく老舗旅館においても、顧客管理のデジタル化は進んでいます。例えば1918年創業の元湯陣屋もその1つであり、セールスフォースを活用して社内連携の強化を実現しました。同館は旅館運営に必要となる機能をセールスフォースに集約させる方針をとり、まず物理媒体で行っていた予約管理および会計処理をデジタル化します。公式ホームページの予約機能とも連携し、各部屋のあらゆる状況をリアルタイムで情報共有出来るようにしました。予約漏れや二重予約の防止はもちろん、従業員のスムーズなサービス提供を手助けする大きな要因となったのです。さらに同館ではSNSとセールスフォースを連携させることによって、投稿コメントと顧客情報を紐付けして能動的なアプローチを可能としました。
企業規模に関わらずセールフォースの活用はできる
CRMと言えば顧客数が多く、十分な資金力を持った大企業が使うツールというイメージが強い人も少なくないでしょう。しかし実際の活用事例を見ても分かるように、セールスフォースは大企業から中小企業まで幅広いビジネス規模に対応しています。コストパフォーマンスの高さやカスタマイズ性の高さ、機能面や拡張性の充実さはセールスフォースの大きな魅力です。使い方次第で顧客管理の効率化からサービス品質の向上まで、自社が抱える様々な課題解決にポテンシャルを秘めていると言えるでしょう。
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