投稿日 2023.05.18

最終更新日 2023.05.18

セールスフォース(Salesforce)を活用する企業における従業員トレーニングの重要性と必要なスキルとは?

セールスフォース(Salesforce)を活用する企業における従業員トレーニングの重要性と必要なスキルとは?

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セールスフォースの研修の重要性とは

セールスフォース(Salesforce)とは、CRM・SFAサービスを提供するクラウドサービスです。アメリカに本社を置く同名企業により提供されています。CRMは「Customer Relationship Management」の頭文字で、顧客と企業の関係性を管理するためのツールを指します。SFAは「Sales Force Automation」の頭文字を取ったもので、営業活動における商談の決定から成約までの一連の活動を効率化し、成約をサポートするツールのことです。セールスフォースの導入を検討する企業は増えていますが、扱えるエンジニアの数は決して多くありません。セールスフォースに関するスキルを持つ人材を獲得するためには、既にスキルを持っている人を探すのではなく、自社で研修を行い人材を育てることが必要になります。
 
セールスフォースに関するスキルは、具体的に4つ挙げられます。「セールスフォースコンサルタント」「セールスフォースディベロッパー」「セールスフォースアドミン」「カスタマーサクセス」です。セールスフォースコンサルタントはセールスフォースの要件定義や業務設計を担当し、セールスフォースディベロッパーはカスタマイズや実装を担当するエンジニアを指します。セールスフォースアドミンは運営管理者のこと、そしてカスタマーサクセスは主に顧客サポートの担当者です。これらのスキルを持った人材を育成するためには、スキルトレーニングや認定資格の受講を企業として支援することが重要になります。その目的は、企業のパフォーマンスを向上させることにあります。
 
そもそも、なぜセールスフォース研修が重要視されているのでしょうか。理由は、セールスフォースの急速な需要拡大にあります。営業活動をサポートする顧客管理システム(CRM)活用の重要性が叫ばれて久しい昨今ですが、セールスフォースはそのCRM分野の中でも需要が急激に拡大しており、2020年にはシェア率が19.5パーセント、世界1位となりました。にも関わらずセールスフォースを扱うスキルを持つ人材供給は追いついていません。そのため、セールスフォースを利用している企業で、関連スキルを持つ人材の確保が急務となっているのです。
 
セールスフォースに関するスキルを持つ人材が必要だと分かっていても、社員の自主性に任せるのは難しいでしょう。セールスフォースはカスタマーサポートやマーケティングなど、いろいろな部門を支援するための機能が多数搭載されています。それだけ扱うのが難しく、全体像を把握するのも至難の業です。まず基礎的な操作を身につけ、そこから応用、上級へとつなげて効率的に学んで行くためには、やはり研修を活用するのが近道なのです。

研修するメリット

研修するメリット
研修を行い、セールスフォースに関するスキルを持つ人材を育成することは、企業にどのようなメリットがあるのでしょうか。最大のメリットは、従業員が業務改善を自ら実行できるようになるという点です。セールスフォースによる業務プロセスの効率化、顧客対応力の向上が実現できれば、自社パフォーマンスは間違いなく向上します。また、社内にセールスフォースディベロッパーがいれば、自社に合わせたカスタマイズも可能になり、より効果を上げることができるでしょう。
 
社員が自主的に研修を受けて欲しい、というは企業としての本音かもしれませんが、やはり企業側が支援を行うのが望ましいでしょう。日々の業務に加えて研修も、となると、よほどやる気のある社員でなければ動けません。企業がトレーニング受講の費用を負担したり、認定試験取得者への手当を支給するなどして、積極的に参加を促し、モチベーションをアップさせることが必要です。負担に感じるかもしれませんが、結果として企業としての力をアップさせることができます。
 
もちろん、セールスフォース研修は従業員個人にとってもメリットがあります。研修に参加してスキルや知識を向上させれば、ビジネスパーソンとしての価値を高め、将来的なキャリアアップに繋げることができます。特にセールスフォースは世界中で活用されているシステムなので、日本を飛び出して海外で活躍できるチャンスが掴める可能性も出てきます。また、セールスフォースは他システムとの連携も重要であるため、セールスフォースについて学ぶことで、周辺システムについても知識を深めることができます。一つのシステムに関する知識だけではなく、汎用的なビジネススキルを身につけることに繋がるのです。

セールスフォースの活用のための研修方法

セールスフォースの活用のための研修方法
セールスフォースは専門性の高いシステムなので、社内で研修のための講師を確保するのが難しい企業が多いです。また、優れた人材であっても、それを効果的に他人に教えられるとは限りません。そのため、セールスフォース研修を提供している外部サービスを利用するのがおすすめです。セールスフォースはトレーナー認定も行っており、そうした講師から研修を受けることで、効率的に学習を行うことができます。研修には集団研修とオンライン研修があり、それぞれ特徴が異なります。
 
集団研修は講師と受講者が同じ場所に集まり、オフラインで対面トレーニングを行います。直接対話をしながら学習を進められるのが最大のメリットで、特に受講者が少人数だと都度質問して疑問点を解消することができます。実践的なトレーニングを行えるのも、集団研修のメリットです。集団研修には講師を自社に招いて行う形と、指定された校舎や会場に受講者が出向く形の2パターンがあります。自社に講師を招く場合、受講者の負担が小さく、参加しているのが自社の人間だけなので実践に即した研修を行えます。受講者が出向く場合は通常業務の時間を圧迫したり、移動に時間がかかる点に留意する必要があります。しかし社外の人間と学ぶことで刺激を受けたり、自然と交流を持てるというメリットも生まれます。
 
オンライン研修はオンライン上で行われるビデオ講義形式のトレーニングです。受講者が自分のペースで学習を進められるというのが最大のメリットで、理解できなかった箇所を複数回勉強したり、自分のレベルに合わせたコースを選択するなど融通が利きます。企業としてもスケジュール調整を行わなくて良いので、負担を減らすことができます。セールスフォース社が提供している無料プログラム「Trailhead」をはじめ、様々な研修企業が多様な学習コースを提供しています。一方で対面でないので講師とのコミュニケーションが難しく、質問と回答にタイムラグが発生するなど、受講者のモチベーションを如何に維持するかが課題です。
 
研修先を選ぶときは、自社の課題解決に結びつくカリキュラムかどうかをまず確認する必要があります。研修企業ごと、コースごとに目的が当然異なるので、自社に適した研修を選択しなければ意味がありません。システム開発ができる人材育成を目的とするのか、業務効率向上を目指すのか、まず自社の目的や課題をはっきりさせてから研修先を選ぶようにしましょう。そして社員の人数や性格などに合わせて研修方法を選択しましょう。「参加しただけ」になってしまっては意味が無いので、社員が参加しやすい形を模索することも重要です。

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この記事の監修者

阿部 雅文

阿部 雅文

コンサルタント

北海道大学法学部卒業。新卒でITベンチャー企業入社し、20代で新規事業の事業部長を経験。その後さらなる事業開発の経験を積むために、戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。2021年5月にFabeeeにジョイン。DXコンサルタントとして大手メーカーや総合商社などを担当するほか、数多くのクライアントから指名を受け、各社の事業開発を支援中。多忙を極める中でも、丁寧で迅速な対応が顧客から高い評価を得ている。