投稿日 2024.05.01

最終更新日 2024.05.09

なぜ人事DXは失敗するのか?事例と成功のポイントを紹介

なぜ人事DXは失敗するのか?事例と成功のポイントを紹介

人事分野のDXは、生産性向上やコスト削減などにおいて高い成果が期待できる反面、いざ取り組んでみると想定よりもパフォーマンスが上がらないというケースも少なくありません。
 
DXは高い成果が得られる取り組みのはずが、そうではない結果に陥るのには、どのような理由があるのでしょうか、ここでは人事DXが失敗に終わる理由について、事例を踏まえて紹介しながら、人事DXを成功に導くためのポイントを解説します。

人事DXとは

人事DXとは

人事DXとは、人事分野におけるDX施策全般を指す言葉です。人事DXの最大の特徴は、全社員の情報をデータ化し、それを活用することにあります。
 
人事部門の業務は、採用活動も含めてたくさんの人をフラットな視点から正しく評価することが求められるため、極めて繊細な業務が多々発生します。
 
そのため、人事担当者は正しく人と向き合うために十分な時間を確保しなければなりませんが、一方で人事部門には多くの書類作業や手続きなども発生するため、必ずしも本質的な業務にだけ携わっているわけにはいきません。
 
そこで注目したいのが人事DXです。余計な作業労働をすべて専用のツールに任せ、効率化・自動化を進めることにより、より本質的な業務に集中することができるようになります。

人事DXのメリット

人事DXのメリット

人事DXを実現することで、企業は以下のようなメリットを期待することができます。

生産性向上につながる

人事DXの大きなメリットは、なんといっても生産性の向上です。たとえば採用プロセスで必ず発生する候補者と社員の面接日程調整に代表される単純作業から解放されることで、担当者は本質的な業務に時間を割くことができます。
 
また、デジタル化されたデータベースから必要な情報をいつでも検索・共有共通できるようになることで、パフォーマンスを改善することも可能です。
 
自分と接点のない社員についての情報を集める際、わざわざヒアリングの時間を割いたりするような負担の軽減に役立ちます。
 
作業労働が解消されることで、担当者の働き方改革にもつながります。残業や休日出勤の発生を防ぎ、無理のない就業環境でワークライフバランスを整えることができるでしょう。

適切な評価軸を構築できる

人事DXを実現するにあたり、もう一つ魅力的なのが評価軸の見直しです。人事担当者の主観に頼らない、データに基づく評価の枠組みを構築することで、公平性や会社の収益性を踏まえた業務を遂行できるようになります。
 
人事評価の仕組みがアップデートされ、会社に必要な基準に基づいて社員を評価できるようになり、適切な人材配置や社員のモチベーションアップなどにつながります。

業務の属人化を回避できる

人事部門は業務が属人化しやすいという問題も抱えていましたが、人事DXによってこれを解消可能です。人事担当者の主観に頼った評価の枠組みを解消したり、複雑なエクセル作成のような定型業務を一から学ぶ必要性を減らすことができます。
 
作業労働は専用ツールに任せられるため人手の余地は最小限となり、高度な業務についても、強力なサポートを人事DX関連のツールから得られるため、経験が浅くとも高いパフォーマンスを発揮できます。

人事DXの失敗事例

人事DXの失敗事例

人事DXには上記のようなメリットが多数揃っている一方で、今ひとつその恩恵を実感できないこともあります。人事DXが失敗に終わるケースとしては、主に以下のような場合があります。

ツールが十分に活用されていない

人事DXのポピュラーな失敗例は、導入したツールが十分に使用されていないというものです。
 
せっかく便利なサービスを導入したにも関わらず、その利用率が低く、現場では相変わらず従来の業務フローが採用され、ツールが活用されない結果、生産性が高まらないというケースです。
 
人事DXを成功させるためには、現場でツールが意図されている通りに使われている必要があります。本来の思惑とは異なるツールの使われ方がされていたり、そもそもツールが利用されず放置されるようなケースは、人事DXが失敗する代表的な例といえます。

ツールが課題解決につながっていない

またツール選定時に解決すべき課題の特定が不十分であったことが原因で、高機能なツールを導入しても、そもそも課題解決に役立たなかったケースも散見されます。
 
人事DXに活用できるツールは多数ありますが、何を導入しても良いというわけではありません。まずは、自社の抱えている課題を明確にした上で、それを解決できるツールを選定しないと、結局活用されずに終わってしまいます。

評価のあり方が改善されない

人事DXにおいて期待したいことの一つは、評価改善です。人事DXが行われ評価軸の刷新が発表されたものの、一向に評価のあり方が変わらず、適切な人材配置や社員のモチベーションアップが進まないということが発生する場合があります。
 
どれだけ現場の作業を効率化しても、評価の仕組みを根本からかえる、そもそも担当者の人事評価のノウハウをアップデートするといった取り組みもセットで行わなければ、期待しているような改善効果が得られないというわけです。
 
人事DXの一環として、タレントマネジメントシステムの導入が挙げられます。これは社内の人材情報を一つのデータベースに集約し、それぞれの社員がどんな能力を持っていて、どれくらいのパフォーマンスを、どの部署で発揮しているかなどを把握するのに役立つツールです。
 
タレントマネジメントシステムを使って人材を俯瞰的に評価することで、偏りがなくそれでいて会社にとって有益な人材育成や配置を実現できます。

人事DXが失敗に終わる理由

人事DXが失敗に終わる理由

上記のような人事DXの失敗例が発生してしまうのには、どのような理由があるのでしょうか。ここでは人事DXの失敗の根本的な理由について、3つのポイントを整理しました。

DXに関するノウハウ共有が進んでいない

人事DXが失敗する大きな理由としては、ノウハウの共有が進んでいないことが挙げられます。
 
企業によってデジタルに対する知見にはバラツキがあるものの、多くの場合では丁寧なDX研修を事前に実施したり、DXの必要性を広く共有したりしないと、DXツールを有効活用できるほどの人材育成を進めることができません。
 
ただDXツールは便利ですが、それを使いこなせる人がいなければ意味がないため、ツールの導入に合わせて広くノウハウの共有も推進していくことが大切です。

DX人材がいない

DXツールを扱うだけであれば、既存の社員を簡単な研修によってツールの使い方などを教えることですぐにパフォーマンスを発揮することができますが、根本的なDXを組織全体で進めていくためには、ある程度専門的なスキルを持った人物がいなければ遂行は難しいでしょう。
 
DX人材は、単にデジタルツールへの理解が高いだけでなく、DXによってどのように会社の問題を解決するのか、どんなツールを導入すれば問題解決を早期に達成できるのかなどの戦略レベルで組織をさせる上で重要な意味を持ちます。
 
現在は需要が高まっており、自社にDX人材を招き入れることはコストが高くなってしまうため、Fabeee株式会社のようなDX推進コンサルタントを頼るなどして導入を支援してもらうことが有効です。

業務フローが改善されていない

DXツールを導入しても、ツール活用を前提とした業務の進め方が現場で定着していなければ、高いパフォーマンスは発揮できません。ツールをどんなタイミングで使えば良いのかわからなかったり、ツールを活用する社員とそうでない社員が混在し、業務が複雑化してしまう可能性も出てきます。
 
このような事態を回避する上では、やはり専門のDX人材やコンサルタントを活用し、業務フローの根本的な見直しから進めていくことが大切です。

人事DXを成功に導くポイント

人事DXを成功に導くポイント

人事DXを成功に導く上では、以下の3つのポイントを押さえた施策の展開を検討してみましょう。

自社課題を整理しておく

まずは、自社課題の整理です。自社のどのようなところに問題を抱えているのか、どうすれば問題を解決できるのか、適切なツールは何か、建設的に検討しましょう。

経営層レベルでのDX推進に力を入れる

DXを円滑に進めるには、経営層レベルの関与も重要です。意思決定力のある人物が全社的にDXを呼びかけ、DXツールの活用も強く後押しすることで、迅速な定着を促すことができます。

デジタル活用の文化を定着させる

人事DXが成果を得るためにはある程度時間がかかることも覚えておきましょう。デジタル活用をいきなり100%進めることは困難であり、まずはデジタルツールを日常的に使用する文化を馴染ませるところからスタートしなければならないからです。

まとめ

この記事では、人事DXによって期待できるメリットと、どのような失敗事例があるのか、どうすればDXを成功に導くことができるのかについて解説しました。
 
DXはポテンシャルの高い取り組みですが、根本的な問題解決を進めるためには、専門家の手を借りることも重要です。
 
Fabeeeでは、そんな人事DXの成功を後押しするためのツール導入支援をサービスとして提供しています。人事DXを検討の際には、お気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

阿部 雅文

阿部 雅文

コンサルタント

北海道大学法学部卒業。新卒でITベンチャー企業入社し、20代で新規事業の事業部長を経験。その後さらなる事業開発の経験を積むために、戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。2021年5月にFabeeeにジョイン。DXコンサルタントとして大手メーカーや総合商社などを担当するほか、数多くのクライアントから指名を受け、各社の事業開発を支援中。多忙を極める中でも、丁寧で迅速な対応が顧客から高い評価を得ている。