投稿日 2023.10.31

最終更新日 2023.10.31

中小企業の化粧品製造業におけるDXとは?事例や実施のポイントを解説

中小企業の化粧品製造業におけるDXとは?事例や実施のポイントを解説
DXは大企業を中心に進んでいる取り組みですが、実際のところは中小企業における導入効果の高い施策であり、すでに複数の事例も登場しています。
 
この記事では、化粧品製造業を営む中小企業がDXによって受けられる具体的なメリットや実際の導入事例、そしてDXを実施する際のポイントについて、解説します。

化粧品製造業のDXとは

化粧品製造業のDXとは
化粧品製造業界におけるDXとは、工場における生産業務のデジタル化や、事務作業や管理業務などのバックオフィス関連の業務に至るまで、幅広く適用が可能な取り組みを指します。
 
DXにおいて重要なのは、アナログ業務をデジタルに置き換えたり、老朽化したITシステムを刷新し、生産能力や互換性、維持管理のしやすさなどに優れたシステムに置き換えたりすることです。また、高度なデータ活用を誰でも行えるような環境へシフトすることで、客観性の高い意思決定を現場や経営層にもたらすこともできます。

DXが求められるようになった背景

DXが求められるようになった背景<
DXはここ5年ほどで急速に注目を集めるようになった取り組みですが、化粧品製造業の分野で求められる背景としては、以下の3つが挙げられます。

人手不足

1つは現場における慢性的な人手不足です。少子高齢化の影響により、労働人口の母数が減少して新たに人手を確保することが難しくなっているだけでなく、豊富なノウハウを有した人材の高齢化による引退が重なり、業務の継続や技術の継承が困難になっています。
 
今後、少子高齢化のトレンドはますます強まることが予想される以上、何らかの方法で人海戦術に頼る必要のない仕組みを構築する必要があるでしょう。

原材料費や輸送コストの高騰

円安や地政学リスクの高まりにより、急速に原材料費や輸送コストが高騰していることも、DXを後押しする要因と言えます。従来の業務プロセスではコストがあまりに大きく、十分な利益率を維持できなくなる事態が多くのメーカーで発生しているのが現状です。
 
人手不足に伴い、人件費の高まりも懸念されていることから、更なるコスト高にも備える必要がある以上、やはり業務の効率化によるコスト削減を進める必要があります。

環境問題の深刻化

温暖化や干ばつ、極端な温度変化など、世界中で急速な環境の変化が起こっていますが、その要因の一つに従来型の非効率な生産体制による過剰なエネルギー消費も挙げられます。
 
SDGsの達成が業界を問わず企業責任の一環として求められるようになっており、化粧品製造の領域も例外ではありません。エネルギー消費の小さい、効率的な業務プロセスを導入し、環境問題への貢献を果たすことが必要です。

化粧品製造業界がDXで得られるメリット

化粧品製造業界においてDXを実施することは、上記の課題解決につながる以下の3つのメリットが期待できます。

生産性向上

DXの最大のメリットとも言えるのが、生産性の向上です。データの自動入力や生産システムのAI管理、センシング機能を用いた施設全体の管理など、アナログ業務では得られなかった極めて高度な業務プロセスを導入することができます。
 
最近では工場における生産業務を無人で賄えるようなスマートファクトリーの登場も見られるなど、DXを実現している企業とそうでない企業における技術格差の広がりが顕著に進んでいます。
 
ここまで高度なシステムを導入するのはコストも時間もかかりますが、簡単なペーパーレス化の促進を実現するだけでも、大幅な効率改善が期待できるでしょう。

品質向上・安定化

DXを進めることで業務を無人化すれば、単に業務に人手がかからなくなるだけでなく、品質の向上や安定化につながるメリットも期待できます。
 
有人の業務は担当者のスキルに依存することも多いものですが、業務を丸ごとシステム化することで、担当者間のスキルギャップの発生を埋め、ヒューマンエラーのリスクも限りなくゼロに近づけることが可能です。
 
高い生産性と品質の両立を目指す上で、もはやDXは不可欠の施策と言えるでしょう。

働き方改革の推進

DXを推進すれば、従業員の働き方改革の推進にもつながります。日報の作成やデータ入力などの作業労働を解消し、残業や休日出勤の負担を減らすことができるだけでなく、リモート管理ができる体制を整備することで、現場への出勤の必要も小さく抑えられるでしょう。
 
労働環境の改善が必要な企業にとっても、DXは大いに価値のある施策です。

中小企業の化粧品製造業におけるDX事例

中小企業の化粧品製造業におけるDX事例
化粧品製造業の現場、中でも中小企業の現場では、どのようにDXが行われているのでしょうか。ここでは主なDX事例について、以下の5つのケースを見ていきましょう。

株式会社オーセル

株式会社オーセルでは、バーコードを使った在庫管理システムを新たに導入し、在庫の動きをリアルタイムに把握可能な仕組みを整備しました。
 
これまで化粧品製造をOEM生産で賄っていた同社は、事業拡大に伴う自社工場の設立に向けて、原材料や在庫の管理システムを自社で立ち上げる必要が出てきました。そこでバーコードを使った在庫管理システムを採用したことで、目視確認では得られない高度な管理体制の構築を実現しています。
 
結果、工場の稼働開始以降はミスのない在庫管理を行えているだけでなく、在庫の具体的な見える化によって30分かかっていた発注計画の作成が10分に、棚卸業務が想定よりも3時間も短縮できるなど、大きなDX効果を得られました。

出典:https://smartf-nexta.com/case/authele

株式会社サーガ

倉庫管理業務を担う株式会社サーガでは、新倉庫の設置に伴いハンディ端末を使った出荷検品システムを新たに導入しています。
 
同社ではこれまで検品作業を手動で実施しており、ケアレスミスの発生や作業効率化の限界に悩まされていました。そこでハンディ端末を導入したことにより、ミスの発生を最小限に抑えられるだけでなく、作業そのものの大幅な高速化を実現しました。
 
また、ハンディ端末をかざすだけで検品が行えるこの方法は、誰でも簡単に使いこなすことができる点も高く評価されています。

出典:https://smartf-nexta.com/case/handy-shipment

株式会社伊勢半

有名化粧品メーカーの伊勢半では、老朽化していた基幹システムを新たに刷新し、次世代のDX基盤を構築しました。
 
これまでの基幹システムは機能改修などを行いながらアップデートをしていたものの、最新の他のシステムやデータとの互換性を備えておらず、近年の高度なハイテク化にはついていけなくなっていたという問題を抱えていました。
 
そこで同社では最新の基幹システムへとアップデートを行い、従来では得られなかった詳細な生産・販売データの収集、及び分析が可能な体制を整備し、データドリブンな意思決定が可能なプロセスを実現しています。
 
また、工程ごとに分断されていた業務プロセスも基幹システムの刷新に伴い統合し、人に依存しづらいスマートな生産体制を構築しました。

出典:https://www.mcframe.com/case/isehan

株式会社コスメナチュラルズ

コスメナチュラルズは、自社の化粧品製造の現場に協働ロボットを新たに導入したことで、生産効率の向上を目指しています。
 
チューブ製品のRカット工程に対応できる今回導入したロボットは、同社工場内で抱えていたチューブ型商品の多様化に対応できる柔軟性を備えているとともに、狭い作業場所でも設置可能なコンパクトな製品であることから、その導入効果に期待が集まるところです。

出典:https://liferobotics.com/20171107/

株式会社RAPiS

RAPiSは自社の化粧品事業やディーラー事業における受注・在庫管理効率化のため、最新のシステム導入を実施した会社です。
 
これまでエクセルで行っていた受注・在庫管理は有人作業である上、作業負担が大きく、効率化の妨げとなっていました。
 
最新の管理システムを導入したことで、業務の自動化が進んだだけでなく、受注と在庫のデータを連動させ、データ活用が効率化したり運用の可能性が高まったりといった恩恵を獲得できたとのことです。

出典:https://spe-s.jp/cases/casestudy02/

DXを成功に導くポイント

DXを成功に導くポイント

上記の企業のように、化粧品製造業界でDXを成功に導くためには

  • 自社の課題を具体的に整理する
  • 全社的な運用を視野に入れる
  • 効果測定と改善を継続的に行う

といった点を踏まえることが重要です。まず、DXはあらかじめ自社のどのような課題に適用するのかを話し合い、最適なソリューションを決める必要があります。また、DXはじめこそスモールスタートでも、最終的な全社的にシステムを適用する運用方針を考えておくことも大切です。
 
一度システムを導入して終わりではなく、定期的に導入後のパフォーマンスを測定し、どのような点に改善の余地があるのかを把握しながら改善に努めることも求められるでしょう。

まとめ

この記事では、化粧品製造業界におけるDXについて、中小企業のケースを紹介しながら解説しました。DXは実施規模の差こそあれ、企業のスケールを問わず行われている取り組みです。
 
今回紹介した事例を参考にしながら、自社でDXを実施するならどのような課題を解決するか、どんな施策であれば課題解決につながるのか、一度考えてみることをおすすめします。
 
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