エンターテイメント業界において活用されていた、メタバース。今は、ビジネスの世界においても注目を集める存在となっています。
メタバースをビジネスに活用するきっかけとなったのは、ブロックチェーンの存在があったからです。今回は、メタバースとブロックチェーンの関係性について確認していきましょう。
メタバースとは?
まずは、メタバースとは何かというところのおさらいをしていきましょう。
メタバースは、「仮想空間」という意味を持つ言葉。超という意味を持つ「Meta」と、宇宙という意味を持つ「Universe」が組み合わさってできた造語であり、1992年に発表された小説「スノウ・クラッシュ」の中で初めて登場しました。新しい概念として扱われるメタバースですが、 その先駆けとなる「 Second Life」は2003年にサービスの提供を開始しており、 2000年代の初め頃から メタバース内での取引は行われていました。
メタバースに注目が集まるきっかけとなったのは、2021年に行われた旧Facebook 社の社名変更。メタバースに注力することの意思表明をすべく、新しい社名はMetaとメタバースをイメージしたものになりました。
これを機に、ビジネスにおけるメタバースへの注目度は急激にアップ。様々な業界がメタバースへの参入を発表し、人々の生活にとってもメタバースは身近なものへとシフトしています。
メタバースについては、過去にも解説の記事をアップしているので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
ブロックチェーンとは?
デジタル時代の革新的技術と言われているブロックチェーン。仮想通貨に活用される技術として知られており、今は金融の分野以外での活用も期待されています。
ブロックチェーンはその名の通り、 改ざんに対する耐性を持つ箱(ブロック)を鎖のようにつなぎ合わせてデータを蓄積していくという仕組みで成り立っている技術。 従来のような一元管理型のシステムではなく相互に管理し合うことで正確な取引履歴を分散させることから、「分散型台帳」とも呼ばれています。
ブロックチェーンを応用する利点は、データの改ざんが非常に難しくなっているということ。たくさんの参加者に同じデータを分散させて保持させているため 、データを改ざんするためにはそれよりも新しいデータを全て改善しなければならず、データの改ざんが行われにくい構造となっているのです。
こういった特徴から高いセキュリティを維持できるため、暗号通貨などの送金システムとしてはもちろん、今後はあらゆる経済活動のプラットフォームになると期待されています。
ブロックチェーンに関しても、過去に解説の記事をアップしています。合わせて参考にしてみてください。
メタバースとブロックチェーンはどんな関係にある?
デジタル技術の活用が当たり前になった今の時代において、様々な可能性を秘めているメタバースとブロックチェーン。では、それぞれはどのような関係性にあるのでしょうか。
メタバースとブロックチェーンの親和性は高い
メタバースは、インターネットの中に仮想空間を作るためのサービス。一方ブロックチェーンは、デジタルデータの安全性を確保するための技術です。それぞれ異なる技術ですが、この二つを組み合わせることによってメタバースはより安全かつ便利に利用できるようになり、収益性も見込めるようになります。
メタバースで収益を上げるためには、NFT(非代替性トークン)の技術が欠かせませんが、このNFTもブロックチェーンが活用されている技術のひとつ。 NFTはデジタルデータのコピーを不可能にし、オリジナルの資産としての価値を生み出す技術です。
メタバースではさまざまな場面においてこのNFTが活用されており、そのことからもブロックチェーンとの親和性が高いことがわかります。
メタバースに関わりのある技術にはブロックチェーンが活用されている
NFTの他にも、メタバースと関わりのある技術の中にはブロックチェーンが活用されているものがたくさんあります。 代表的なものとして知られているのが、Web 3.0と暗号通貨。 どちらもメタバースを語る上で、避けて通ることのできない技術です。
Web3.0とは、ブロックチェーンの技術を中心として作られた 次世代のインターネットの基盤。Web3.0時代とも呼ばれており、これからのインターネットの形を表す言葉として使われています。
暗号通貨を使った取引にも、ブロックチェーンの技術は欠かせません。ブロックチェーンの技術が用いられることにより、誰がどれくらいの資産を保有しているのかがすぐわかるようになります。
ブロックチェーンの技術は、メタバースの可能性を大きく広げる存在となったのです。
メタバースにおいてブロックチェーンはどのような役割を果たすのか
コロナ禍が追い風となり、その需要が高まっているメタバース。しかし、新たなビジネスの場として注目を集める一方で、解決すべき課題も山積みの状態でした。
多々ある課題の中でも 、特に大きなものとなっていたのがメタバース内で取引される通貨やモノの管理について。ブロックチェーンを活用しないメタバース内では、違法な複製や不正行為など規約違反となるような取引を無効にすることは不可能でした。
そのデータを所有する人が誰なのかを突き止めることもできず、適切な管理が行えません。運営会社が破綻してしまった時点でサービスは全て終了となり、それまで記録してきたデータもすべて削除されてしまいます。
それに対してブロックチェーンを活用したメタバース内では、そもそも不正な改ざんを行うこと自体が不可能。データ自体もユーザーが秘密の鍵を使って管理できるため、仮に運営会社が破綻したとしても大切なデータが失われることはありません。
また、ブロックチェーンを応用することでメタバース内にて保有している資産を、 NFTにできるようになります。その結果資産の相互運用が可能となり、メタバース内で収益を上げることができるようになるのです。
メタバースの世界を完全なものにするためにも、ブロックチェーンは非常に大きな役割を果たしています。
メタバースにおけるブロックチェーンの活用事例
メタバースとブロックチェーンの親和性が非常に高いことから、メタバースにおいてブロックチェーンを活用した事例もたくさん報告されています。代表的なものをご紹介しましょう。
The Sandbox(サンドボックス)
The Sandbox(サンドボックス)は、イーサリアムのブロックチェーンを基盤としたメタバースゲームです。ゲーム内ではLANDと呼ばれる土地が提供され、ユーザーはその土地の中でオリジナルのゲームやNFTのアイテム、キャラクターなどを作成してマネタイズしたり遊んだりすることが可能。有名企業がLANDを所有して、その中でイベントやショップをオープンするなど、ゲームにとどまらないLANDの用途が広がるなど、活発な動きを見せています。
The Sandbox内での取引で使われるのは、SANDと呼ばれる独自の通貨。誰でもゲームを作ることができたりNFTの取引を行うことができたりと、その自由度の高さから注目が集まっているメタバースゲームです。
STEPN(ステップン)
STEPN(ステップン)は、運動することによってお金が稼げるブロックチェーンのゲームです。メタバースゲームの中でも注目を集めているMove to Earnと呼ばれるジャンルに属するゲームで、移動することによって稼ぐという新しい概念を生み出しました。
STEPN(ステップン)では、ゲームを始める時にNFTのスニーカーを購入します。NFTのスニーカーを購入することでゲームに参加できるようになり、そのスニーカーのランクや移動した距離に応じて通貨を稼ぐことができます。
STEPNで使われる NFT のスニーカーには、 大手スポーツブランドであるアシックスとコラボしたものも。 LINEとの業務提携も発表され、今後日本での広がりも期待されています。
まとめ
まだまだ一般の人にとっては馴染みのないメタバースですが、ブロックチェーンが応用されることでメタバースの活用の幅は大きく広がることが期待されています。 弊社でもメタバースの導入のお手伝いをさせて頂いているので、ブロックチェーンと合わせてご興味をお持ちの方は参考にしてください。
「Fabeee Metaverse Package」