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投稿日 2023.02.17

最終更新日 2023.02.17

セールスフォース(Salesforce)を活用した開発で何が出来る?開発費用やメリットを含め分かりやすく解説

セールスフォース(Salesforce)を活用した開発で何が出来る?開発費用やメリットを含め分かりやすく解説

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セールスフォース(Salesforce)を活用した開発とは?

Salesforce(セールスフォース)とは、使用目的に合わせて複数の製品(サービス)を組み合わせたりカスタマイズして用いることができる、クラウド型のビジネス用アプリケーションのことです。CRM(顧客関係管理、Customer Relationship Management)やSFA(営業支援、Sales Force Automation)を主な機能としており、顧客管理のプラットフォームとしてセールスフォースは全世界で15万社以上の企業で導入されています。

セールスフォースは、ほかのマーケティングツールと連携させることができます。また、開発プラットフォームとして用いて、新たなツールやアプリケーションを独自製作することが可能です。これを一般的にセールスフォースの活用あるいは活用した開発と呼んでいます。セールスフォースを活用した開発をすれば、強力なサービスをより効率的に使えるようになります。さらには、新しい顧客管理システムや商談情報管理システムなどを作成することもできるでしょう。
 
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セールスフォースで開発で何ができる?

セールスフォースで開発で何ができる?
一般的にセールスフォースの開発では用いる言語によってできることが変化します。セールスフォースで主に用いられる言語は「Apex(エイペックス)」と「SOQL(ソークル、エスオーキューエル)」の2つです。

Apex(エイペックス)による開発で何ができる?

Apexはセールスフォースの開発に用いるために作られた独自言語で、Javaとよく似ているという特徴があります。そのため、Java開発経験があるプログラマーであれば、習得の難易度が低いとされています。Apexを用いたセールスフォースの開発では以下のようなことが可能です。

  • セールスフォースにサポートされているシステムのカスタマイズ
  • ワークフローでサポートされていないビジネスロジックの構築と実行
  • ストアドプロシージャ(SOQLによるデータベースの処理プログラム)の作成
  • トリガー(指定したイベントで起動される名前付きデータベース・オブジェクト)の作成
  • 新たなコンポーネントの作成

また、SOAP(ソープ、通信プロトコルの仕様)とXML(任意の言語を拡張するマークアップ言語、Extensible Markup Language)を合わせてApex上で用いることで「ウェブサービスの作成」や「メールサービスの作成」も可能」です。

SOQL(ソークル)の開発で何ができる?

SOQLは、SQLとよく似た構文が利用できる言語で、オブジェクトからレコードを抽出したり、データベースに対してクエリの発行ができます。SOQLを用いれば「指定ワードによるレコードの抽出」「指定内容に沿ったデータベースのソート」「直近のクエリの呼び出し」などが可能です。なおセールスフォースの開発では、Apexでロジックや基本システムを構築し、SOQLでデータを扱うのが一般的となっています。

開発にかかる費用はどのくらい?

開発にかかる費用はどのくらい?
例えば、顧客管理機能(企業情報・企業担当者情報・契約状況)とデータ移行支援に絞った開発をした場合、セールスフォース開発のランニングコストは年間30万円ほどだとされています。しかし、これはあくまで1例でしかありません。セールスフォースの開発にかかる費用は、構築するシステムや開発に携わる人数などによって大きく変化するからです。セールスフォースの開発には主に以下のような費用が必要になります。

ライセンス(広義)費用

セールスフォースの利用には1ユーザー1ライセンス(広義)が必ず求められます。ライセンス(広義)は、プロダクト・エディション・ライセンス(狭義)の組合せによって費用が決まります。

プロダクトは複数あり代表的なものは「LightningPlatform」「SalesCloud」「ServiceCloud」の3つ。セールスフォースを使って開発する場合には「LightningPlatform」を選ぶのが一般的です。ただし、セールスフォースの利用には必ず1人以上の管理者が必要です。そのため「LightningPlatform」のプロダクトだけのライセンス(広義)の取得はみとめられていません。1ユーザーは「Sales Cloud」あるいは「Service Cloud」のプロダクトでのライセンス(広義)を取得しなければなりません。

次にエディションを選択します。エディションは「Essentials」「Professional」「Enterprise」「Unlimited」の4種類。上位のエディションになるほどに、機能や使用容量の上限が増えていきます。ユーザー1人あたりの月額料金(税抜き)は以下のとおりです。なお、以下ではわかりやすくするために月額表示をしていますが、製品利用には年間契約をする必要があります。また、価格は2023年2月時点の情報に基づいた税抜きの価格です。

  • Essentials 3,000円
  • Professional 9,000円
  • Enterprise 18,000円
  • Unlimited 36,000円

「LightningPlatform」におけるエディションは「Platform Starter」と「Platform Plus」の2通りです。ユーザー1人あたりの月額料金は以下のとおりです。

  • Platform Starter 3,000円
  • Platform Plus 12,000円

ライセンス(狭義)は「ユーザーライセンス」「権限セットライセンス」「機能ライセンス」の3通りがあります。これらのライセンス(狭義)は、同じチーム内で混在させて取得することが可能です。

ツールなどの追加機能費用

ライセンスの取得だけでは、十分な開発は難しいでしょう。そのため、開発に見合った追加機能を購入していく必要があります。例を挙げるなら、BtoB向けのマーケティング自動化ツール「Pardot」なら、税抜き価格で月額15万円から180万円かかかります。

開発したシステムの保守管理等費用

セールスフォースにおける開発では、できあがったツールやシステムの保守管理費用も考慮しておく必要があります。基本的なシステムはクラウド上で利用できるとはいえ、自己開発した部分のメンテナンスは自ら行う必要があるからです。保守費はシステム開発にかかった費用の約15%ほどが目安とされています。

セールスフォース開発事例

セールスフォース開発事例
コンサルタントを営むM社では、他社製の会計ソフトとセールスフォースを連携させたツールを開発したことで大幅な業務改善を実現しています。

開発ツール導入前の課題は以下の3点です。

  • 業務工程の削減
  • 受注可能性の高い案件の抽出
  • 見込み顧客の洗い出し

新しく生み出されたツールは、商談情報を元にしたマーケティングシステムでした。これによって請求書作成や発送業務を自動化し、手作業で行っていた業務を大幅に削減することに成功しました。作業工程で削減された時間は年間で約700時間です。また、商談情報を元に制約可能性が案件を自動的に抽出。くわえて過去の顧客情報を元に見込み客を選別し営業対象としてアプローチしました。これによって、前年比130%の利益を挙げたそうです。

セールスフォースの開発のメリット

セールスフォースでの開発のメリットは主に3つ挙げられます。
 
1つ目は運用のしやすさです。本来、自社開発ではシステムの置き場所となるサーバーを用意しなければなりません。ですが、セールスフォースはクラウドを利用しています。そのため開発において自社サーバーを用意する必要がありません。サーバーを用意する必要がないため、システムの開発・運用に関する費用をおさえることもできるでしょう。また、インターネットと端末さえあれば、社外にいながら開発したツールなどを利用できるようになります。
 
2つ目は情報管理のしやすさです。セールスフォースで開発したツールやシステムにはSOQLが用いられています。これはデータベース言語と呼ばれるSQLとよく似た特性持っています。SOQLを使えば開発したシステムなどの情報管理が簡単です。
 
3つ目は、既存のマーケティングツールとの連携ができることです。セールスフォースの開発では、現在使っているツールと連携させたシステムやツールを生み出せます。セールスフォース以外のサービスを利用できるので、多彩なシステムを生み出せるでしょう。

Salesforce(セールスフォース)開発で会社の問題解決を実現しよう!

Salesforce(セールスフォース)はCRMやSFAとしての機能だけでなく、新たなツールを開発するプラットフォームとしても使われています。セールスフォースで開発されたシステムやツールは、システム運用や情報管理がしやすく、既存のマーケティングツールと連携できるというメリットがあります。セールスフォースでより会社にフィットしたシステムやツールを作りあげれば、現在抱えている問題の解決に目途が付くかもしれません。

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この記事の監修者

阿部 雅文

阿部 雅文

コンサルタント

北海道大学法学部卒業。新卒でITベンチャー企業入社し、20代で新規事業の事業部長を経験。その後さらなる事業開発の経験を積むために、戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。2021年5月にFabeeeにジョイン。DXコンサルタントとして大手メーカーや総合商社などを担当するほか、数多くのクライアントから指名を受け、各社の事業開発を支援中。多忙を極める中でも、丁寧で迅速な対応が顧客から高い評価を得ている。